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もっとも生産性が高くなる週の労働時間とは?

Overwork

 

こないだ「週に30時間より多く働くと頭が悪くなる!」って話が出ましたが、その後もいろいろ見てたら、slideshareにあがってた「生産性の法則」ってファイル (1)がためになりました。

 

 

作者はゲームデザイナーのダニエル・クックさん。「どんだけ働いたら生産性って下がるの?」って疑問について、過去に行われた有名な実験をざっくりまとめてくれております。ネタ元はヘンリー・フォードの古典的な研究(2)とか、近年のデスクワーク研究とか、いろいろ。

 

 

で、個人的に参考になったのは、週の労働時間と生産性についてのグラフであります。

 

Productivity

 

多くのデスクワーカーを調べたところ、

 

  • 週35時間ぐらい働いてる人は生産性に波がない
  • 週60時間労働の人は、2週めまでは生産性が上回るものの、どんどん生産性は落ちていく

 

みたいな傾向が出たらしいんですな。どうやら、コンスタントに成果を上げ続けたければ、多くても週に40時間ぐらいがMAXになるっぽい。

 

 

ちなみに、この労働時間は、1週間のあいだで好きに割り振ってもいいらしい。つまり、「1日10時間労働を週に4日だけやって、残りの3日は完全にオフ!」みたいな働き方でもOKってことですな。



 

が、それにも関わらず労働時間を減らさない人が多いのは、人間の脳が「働くほど成果はあがる!」って錯覚をしやすいかららしい。以下、主観と実際の生産性をくらべたグラフ。

 

Productivity2

 

実際は働けば働くほど時間あたりの生産性は落ちるんだけど、主観では「ちょっと効率が悪くなったかもだけど、ベースラインよりは上でしょ!」って気分になりがちなわけですな。マルチタスクが得意(だと思ってる人)にも、似たような錯覚が起きがちですね。

 

 

というわけで、いまのところ「週の労働時間が35〜40を超えたら働きすぎ!」と考えたほうがよさげ。30時間から脳の機能が下がり出し、35時間あたりから生産性にも影響が出てくるわけですな。

 

 

この基準からいえば、平均で週に50〜60時間ほど働いてるわたしは完全にオーバーワークだったりします。正直、もうちょいオフを取らねばとは思うものの、どうしてもローンの返済がねぇ…。

 


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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