女性が「プチ断食」でヘタにダメージを受けないための注意ポイント
女性はプチ断食をしたほうがいいのか?
女性とプチ断食に関するご質問をいただきました。
プチ断食などの記事を参考に去年の春頃から朝食を抜く生活を送っていましたが、午前中に寒気がしたり不眠になり、生理不順になりました。
ブログの記事にも女性はプチ断食が合わない人がいるとあり、症状が一致したので4ヶ月程でやめました。(中略)
女性は生活を変えるとそんなにホルモンバランスが崩れるものなんでしょうか。。(中略)
気になることはやめたほうがいいのはわかるのですが、女性というだけでそんなに違う??と疑問で。。
とのこと。確かに、当ブログでは以前に「女性は『プチ断食』でトラブルが出るケースもある」って話を書いてまして、「不調が出たら止めてくださいねー」と言っております。
が、ご質問のように「女性というだけでそんなに違う?」と問われてしまうと、正直なところ「まだハッキリ言えないんですよねぇ」としかお答えできないのが現状でして。
プチ断食で糖の代謝が悪化する女性も
というのも、現時点で「プチ断食のメリット」について調べた研究は男性の被験者がメインで、そもそも女性を対象にした実験がとても少ないんですよ。そのため、プチ断食が女性にあたえる影響は、かなり推測に頼ったものになっちゃうんですね。
では、数少ないデータから、女性とプチ断食の関係を探ってみましょう。
まず参考になるのが、2007年に出たレビュー論文(1)。「日替わり断食はどれだけ体にいいの?」って疑問について、過去のトライアルをもとに検証した内容になっております。
その結果、日替わり断食を続けた被験者は、
- 血圧が低下!
- 脂質の酸化ダメージが減少!
- インスリン抵抗性が改善!
- グルコースの取り込みが促進!
といった違いが確認されたんだそうな。見事な効果ですねー。
が、これらの違いはあくまで平均的なもの。同論文では少ないながらも女性のデータも扱ってまして、そこだけを抜き出すと、
- 女性の場合は3週間の日替わり断食でインスリン抵抗性が改善しなかった
- 一部には耐糖能が悪化した女性もいた
みたいな感じなんですね。 プチ断食で男性は糖代謝が改善したのに、女性は逆に悪化しちゃったんですよね。どうも悩ましい。
プチ断食の効果にはやはり男女差がある
ほかにもプチ断食の男女差はいくつか確認されてまして、
- 3週間の日替わり断食を試したところ、なぜか女性だけ善玉コレステロールが増え、男性だけ中性脂肪が減った
- 20人の女性が3週間の日替わり断食を行ったところ、特にインスリン抵抗性の改善はみられず、耐糖能には悪化がみれらた(2005年,3)
とのこと。いずれも小規模な実験なので断言は難しいものの、やはりプチ断食の効果には男女差があると考えたほうがよさそう。
ただし、いっぽうで太りぎみの女性を対象にした2009年の実験(4)では、8週間のプチ断食により、
- 4.5キロの減量に成功
- 血圧が低下
- コレステロール値も改善
- 中性脂肪も減少
といった効果が出てたりもします。体脂肪が多めの場合は、女性もプチ断食のメリットのほうが多いのかもしれません。
男性のほうが空腹に適応している可能性が高い
そんなわけで、いまのところ「やっぱ女性はプチ断食の個人差が大きそうだなー」って印象であります。
これはパレオダイエット的にも納得がいく話で、多くの狩猟採集民を見てますと、
- 男性:日中の活動は狩猟がメインなので、空腹のまま体を動かす場面が多い
- 女性:日中の活動は採集がメインなので、男性よりは空腹の期間は短い
って傾向があったりします。その結果として、男性のほうが空腹状態に適応した体になったんじゃないkなー、と。一般的に、男性のほうがケトジェニックダイエットに慣れやすいのも、そのへんが大きいのかもですな。
女性がプチ断食を行う際のポイント
というわけで、やっぱり女性がプチ断食をする際には注意が必要。女性が実践する場合は、
- 「パレオダイエットの教科書」で紹介したプチ断食レベル1から始め、様子を見ながらレベルを上げていく
- 体に異変(肌荒れ、食欲の増加、冷え性)などが起きたらすぐに止める
- ストレス過多の状態(睡眠不足、仕事のストレスなど)が多いときはプチ断食はしない
ってあたりを守っていただければと思います。どうぞお大事に。