ブランド品が好きな人は「自分の無力感に耐えられない」からだ問題
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無力感が強い人ほど高級品が欲しくなる?
「無力感が強い人は金はなくなるし大食いするし…」 みたいな論文 (1,2)がおもしろかったんでメモ。
どちらもノースウエスタン大学の実験で、ひとつめは61人の学生を対象にしたもの。まずは全員を以下の2つにわけたんですね。
- ロウパワーグループ:過去に無力感を感じた体験を紙に書き出してもらう(面接に失敗したとか、彼女にふられたとか)
- ハイパワーグループ:過去に自分が他人に影響をおよぼした体験を紙に書き出してもらう(自分の意見で親が禁煙したとか、企画が通ったとか)
その後、全員にオークションサイトヘアクセスしてもらい、「どの品物にいくら支払いますか?」と聞いたんだそうな。
無力感が強いとブランド品が好きになる
すると、
- ロウパワーグループは、高級ペンやブランドのバッグ、毛皮のコートなどの高級品に買う確率が激しくアップ
- いっぽうで、普通のペンやソファ、ドライヤーなどの商品には高値をつけなかった
って結果が出たんですな。そのほかにも、
- ロウパワーグループは、「有名な商品ですよ」と言われるほど金を簡単に出すようになった
- ブランドのロゴがちゃんと見えるような商品を好むようになった
なんて傾向もみられた模様。研究者いわく、
定期的に無力感にさらされた消費者は、ステータスが高い商品を求める傾向が高まる。そのせいで、よりムダ使いが増え、負債を増やしてしまう可能性が大きい。
とのこと。自分の無力感を埋めるために、高級品を欲しくなっちゃうわけですな。ありがちな感じではあります。
無力感が強いと大きな食事を選ぶようになる
で、もうひとつの実験では、74人の学生を2グループに分類。
- ハイパワーグループ:自分は地位が高い人間だと妄想してもらう(大企業の社長とか)
- ロウパワーグループ:自分はハイパワーグループの人間に雇われている立場だと妄想してもらう
そのうえで、みんなの前にピザやスムージーを並べて「好きなものを選んでください」と指示したところ、
- ロウパワーグループの人ほどデカい食品を選ぶ!
って傾向があったんですな。グラフで見るとこんな感じです。
いやー、見事な違いが出てますねー。なんでも多くの人は、無意識のうちに「大きい食べ物=ハイステータス」みたいに思う傾向があるんだそうな。
まとめ
というわけで、以上の話をざっくりまとめると、
- 自尊心が下がった人ほどブランド品に走りがち&大食いしがち
- しかも、その効果は頭で妄想しただけでも現れる
ってことでしょうか。とりあえず自尊心の傷はすみやかに対処したほうがよさげですが、無闇なポジティブシンキングはよろしくないんで、個人的にはセルフコンパッションの技法をオススメしておきます。