女性が腹筋を割るにはどうすればいいの?
女性が腹筋を割るにはどうすればいいのか?
たまに女性から「腹筋を割ってみたいのですが…」みたいな話をいただきますが、個人的にはあんまオススメしておりません。なんせ女性は腹まわりの脂肪が多いので男性より効果が出にくいですし、割れた腹筋を維持するのも大変なもんですから。
が、「それでもチャレンジしたい!」という方には、新しい論文(1)が参考になりそうであります。これはユヴァスキュラ大学の実験で、フィットネスコンテストに参加した女性を調査したおもしろい研究なんですな。
参加者は27人の女性で平均年齢は27才。 4カ月の激しいダイエット&トレーニングをして、体型やホルモンバランスがどう変わるかをチェックしたんだそうな。
フィットネスコンテストの女性を調査した
で、まずは実験中の体型の変化をどうぞ。もっとも体脂肪率が低いのが「MID」で、「POST」はリカバリー期の状態を表しております。
どちらも薄っすらと腹筋が見えるレベルなんで、体脂肪率でいうと12〜14%ぐらいですかね。
具体的なトレーニングの中身
この体型になるために、みんながどれぐらいのトレーニングをしたかと言いますと、
- 筋トレ:スプリットルーチン(曜日ごとに鍛える筋肉を変える手法)で週に3〜6日の筋トレ。具体的なメニューは書いてないんですけど、太ももとハムストリング、尻、胸、肩、腕、背中を重点的に鍛えたとのこと。ベーシックな筋トレメニューをひととおりこなした感じでしょうね。1回のトレーニングは40〜90分だそうで、かなり個人差があったみたい。
- 有酸素運動:こちらも週に3〜6日のペースで、HIITとランニングをした模様。HIITは10〜25分で、15〜45秒のエクササイズと30〜60秒の休憩をくり返すパターン。これに、一般的なペースのランニングを30〜60分ほど組み合わせたみたい。
みたいな感じ。なかなかハードですねー。
具体的なカロリー量はこんな感じ
さらに、腹筋を割るためにはカロリー制限が必須!というわけで、毎日の食事はこんな感じになっております。
- 1日のカロリー:減量前に食べていた維持カロリーから20%減らす。参加者の平均は、ダイエット前=2367kcal、ダイエット後=1885kcalだったそうな。
- 1日のタンパク質:全員が高タンパク食を目指したそうで、体重1kgあたり3グラムを摂取したみたい。平均で1日189.7グラムとのことなんで、かなりの量ですね。
- 1日の脂肪量:体重1kgあたり0.95グラムを摂取。平均で1日56.8グラムぐらい。
- 1日の糖質量:体重1kgあたり2.10グラムを摂取。平均で1日126.1グラムぐらい。
やはり体重1kgあたり3グラムのタンパク質ってのが凄い。ボディビル式の食事法と同じレベルですね。
筋肉を減らさずに体脂肪が大幅に減少
さて、4カ月後にどんな結果が出たかというと、
- 体重は平均で12%減
- そのうち35〜50%は体脂肪の減少によるもの
- 内臓脂肪は60%減っていた
- いっぽうで筋肉の減少は2%ほどだった
ということで非常にいいですねー。これだけ体脂肪が減って筋肉が維持されてるのは素晴らしいですな。
ホルモンバランスには悪影響が
ただし、やはりホルモンバランスには悪影響が出てまして、
- 血中のレプチンが減少(食欲を抑えるホルモン)
- 甲状腺ホルモン(T3)とテストステロン(男性ホルモン)も大きく減少
- エストロゲン(女性ホルモン)も大きく減少
だったらしい。レプチンが減るのは仕方ないとして、やはり甲状腺ホルモンの低下はやや気になるところです。
その結果、参加者の体調にどんな変化が出たかというと、
- 63%に生理不順が起きたが、ダイエットを止めて3〜4ヶ月で正常化した
- 参加者の「気分」には目立った変化は見られなかった
みたいな感じ。やっぱ体脂肪率を減らした弊害が出てますねぇ(気分が低下しなかったのは意外ですが)。
まとめ
この結果について研究者いわく、
今回の研究では、高タンパク食と筋トレの組み合わせにより、女性でも筋肉のサイズや機能を落とさずに体脂肪を大きく減らせることを示した。もちろん、この間にホルモンバランスには影響が出るが、再び摂取カロリーを増やせば、体重の増加とともに3〜4カ月でもとのレベルにもどる
とのこと。女性でも高タンパク食+筋トレで腹は割れるんだ、と。
もっとも、 よくデータを見てみると、T3とテストステロンに関しては、ダイエットを止めて3〜4ヶ月が過ぎても完全には復帰してないんですよね。そのへんを見ると、やはり女性のシックスパックは簡単にオススメしづらいかなぁ。厳しいカロリー制限を終えたら、すぐに元の体に戻りますしね。
それでも一度は腹筋を割りたい方は、とりあえず1日に体重1kgあたり3グラムのタンパク質を意識しつつ、ボリュームの多い筋トレをやっていくのがよさそうです。って、これは男性でも同じですけどね。