プロテインを1%増やすだけでも総摂取カロリーは50kcalも減る
ちょい前に「プロテインのメリットをソフトドリンクが打ち消す」って話を書いたんですが、そこで引用した論文(1)の序文に、「タンパク質を増やすとどれだけ痩せやすくなるか?」の過去データがまとめられていて非常に参考になりました。
タンパク質を増やすとウハウハ
研究者いわく、
三大栄養素のバランスにおいて、タンパク質を増やして糖質と脂質の量を下げると、カロリー支出バランスに両方向から大きな影響を与える。
カロリー消費の面から言えば、摂取カロリーを増やさずにタンパク質の割合を上げると、より熱産生の時間が長くなり、エネルギーの総消費量が上がることがわかっている。
カロリー摂取の面から言うと、もし1日のタンパク質量を減らした場合、必要な量が満たされるまで自然と食事量が増えていくことになる。
とのこと。ざっくりまとめると、
- タンパク質を増やすと…
- 代謝がアップしてカロリー消費量も増加!
- 食欲が低下してムダ食いせずにすむ!(いわゆる「プロテインレバレッジ」)
といったメリットが得られるわけです。ウハウハですねー。
タンパク質を1%増やすと最大54kcalが減る
では、具体的にどれだけウハウハなの?ってあたりも論文にまとまっていて、
- 1日のタンパク質摂取量が1.5%下がると、糖質または脂肪からのカロリー摂取量は14%も増える傾向がある。これは、タンパク質が不足した分を補おうとして、カロリーの質が低い食品の量が増えるからだと考えられる(ナッツとか牛乳とか)。(2005年,2)
- 26人の女性を対象にした実験では、1日15%のタンパク質と30%のタンパク質をくらべたところ、高タンパクのほうが脂肪の燃焼レベルが50%も高かった。(2004年,3)
- 健康的な体型の男女22人を対象にした実験では、1日のタンパク質の摂取カロリーが5%減るごとに、総摂取カロリーが12%も増えることがわかった。だいたいの計算では、タンパク質のカロリーが1kj(0.239cal)減るごとに、摂取カロリーが4.5kj(1.07cal)増えることになる。(2011年,4)
- 20〜74才の成人17,478人を調べた観察研究では、タンパク質の摂取が1%増えるごとに総摂取カロリーが31〜54calほど減ることがわかった。(2011年,5)
ってことで、細かな数値に差はあれど「タンパク質を増やせば総摂取カロリーは減る!」って点で一致しております。
まとめ
なにせ、タンパク質を減らすと、その4.5倍も摂取カロリーが増えちゃうわけですからねぇ。たとえばタマゴ1個ぶんのタンパク質(約30kcal)を減らすと、135kcalのカロリーを余計に取らないと食欲が満たされない計算。だいたい牛乳300ml分ぐらいのカロリーが自然に増えちゃうわけっすな。これは恐ろしい!
逆に1日の摂取カロリーが2,000kcalの人であれば、だいたいタンパク質を5g(鶏むね肉20gぐらい)増やすごとに、よけいなカロリーを最大で54kcalも減らせるようなイメージ。これは手軽だぜ…。
まあ以前にも「痩せたいだけなら『タンパク質カウントダイエット』が一番ラクなのでは?」って話も書いたとおりで、おおまかながらも具体的な数値がわかるとやる気が出ますねー。無理のない範囲でタンパク質を増やしていただければ幸いです。