70オーバーの高齢者が「シャープな頭脳」をキープするための運動量がわかった件
ここ数年、「どれぐらい運動すれば頭が良くなるのか?」ってテーマが熱いわけです。なにせ、 1日10分の早歩きで脳の老化が防げるとか、運動を10日サボるだけで頭が悪くなるとか、そんなデータがやたらと多いもんですから。
さらに近年の研究例だと、
といったあたりは精度が高くていい感じ。年齢によって運動量の差はあれど、とりあえず疲れすぎないレベルで体を動かしとくと頭は良くなるかと思われます。
で、新しいデータ(1)は「70オーバーが脳をシャープに保つための運動量とは?」って話をがっつり調べてくれていて良かったです。
これはマイアミ大学の研究で、質が高い98件のデータから11000人分のデータをまとめたメタ分析になっております。どんなデータを扱っているかと言いますと、
- 75歳以上の男女に限定
- 最低でも4週間以上のRCTを行なっている(つまり信頼性が高い)
- 実験後に参加者の推論スキルをチェックしている
って感じ。参加者のうち26%は軽く認知症が始まっていて、15%は完全に痴呆症が進んでいたとのこと。
また、ここで調べたエクササイズは有酸素運動がメインで、サイクリング、ジョギング、ダンスなどを対象にしております。一部の実験では筋トレも使ってますが、とりあえず「有酸素運動で頭は良くなるか?」を調べたと考えていただいて良いかと。
その結果をざっくり一言でまとめると、
- 6ヶ月のうちに総計52時間の運動をすると脳の処理スピードが上がる!(=短時間で脳が大量の情報を取り扱えるようになる)
だったそうな。このメリットは、認知症の人はもちろん健康体の人でも得られた、とのこと。
いっぽうで6ヶ月間の運動が32時間までだとなんのメリットもなかったそうなんで、とりあえず52時間が最低ラインになりそう。1日20分ぐらいも体を動かせば達成できるラインですな。
さらに「脳に効く運動の種類は?」と言いますと、
- 早歩きでもヨガでもどんなものでもOK!
って結果が出てるのがありがたいところ。ランニングみたいにハードな運動をしなくても、ちょっと散歩するとか階段を上るとか、それぐらいでも十分にどうにかなりそうな感じっすね。
ってことで、自分が高齢の場合はもちろん、自分の祖父祖母にも「半年に52時間の運動」をオススメしてあげるといいんじゃないでしょうか。どうぞよしなに。