頭を良くするためにも「スクワット」は役立つかもよ!というマウス実験の話
運動が脳にいいってデータは山のようにあるわけですが、逆に「なんも体を動かさなかったら脳はどうなるの?」ってとこを調べた論文(1)が出てました。
これはミラノ大学などによる動物実験で、マウスの後ろ足を縛って28日ほど放置するという、なかなか過酷な研究であります。でもって、最終日にマウスたちの脳室下帯ってとこをチェックして、どんな違いが出たかをみたんだそうな。
脳室下帯ってのは中央神経系の活動をつかさどる脳のエリアでして、要は頭の中を行き交う情報の受け渡しをしてくれるハブみたいなもんです。当然、ここの活動が上がれば情報がスムーズに処理できるんで、頭の回転も良くなるという次第。
で、マウスたちにどんな変化が現れたかというと、
- 足を動かさなかったマウスは、自由に動けたマウスに比べて70%も神経幹細胞が減ってた!
だったらしい。これは結構すごいことで、神経幹細胞は新しい脳細胞を作るためのベースになるもので、これが減っちゃうと神経が増えてかないんですよ。つまり、
- 神経幹細胞が減る
- 新しい神経ができない
- 脳が死んだ神経だらけになる
- 脳が働かない!
みたいな流れが考えられるわけっすね。
研究チームいわく、
神経系の健康は一方通行ではない。たんに筋肉に対して「持ち上げろ」や「歩け」といった命令を出すだけではないのだ。
とのこと。脳から筋肉に指令がいくだけでなく、実際は筋肉から脳にも指令が行ってるんだよーってことですね。
人間が体を動かすように設計されているのは偶然ではない。歩き、走り、しゃがみ、物を持ち上げる。すべてに足の筋肉が必要だ。
ってことで、とにかく「足を動かす」のが脳の発達には欠かせないんだ、と。
病気の人や宇宙飛行士のように、筋トレができない人は、たんに筋肉を失うだけではない。細胞レベルで化学反応が変わり、神経システムにも大きなダメージが起きるのだ。
そんなわけで、脳の健康にもスクワットは欠かせない気がする次第です。
もちろんこれはマウス実験なんで、すぐヒトに適用できるような話ではないです。が、脳の神経発達ってヒトとマウスはかなり似てますし、「頭の良さは脚力と連動している!」ってデータもありますんで、それなりに信ぴょう性はあるんじゃないかと。
というか、この手のマウス実験は、自分がスクワットをするためのモチベーションブースターに使うのが一番いいですよね(笑)