ホエイプロテインで筋トレの疲れは取れるのか?のメタ分析が出てたよー
こないだ「最高の休息法はなにか?」についての信頼性が高いデータを紹介しましたけど、この論文で取り上げられてなかったのが「プロテインもトレーニングの回復に役立つんじゃないの?」って問題であります。
というのも、アミノ酸ってのは筋肉のタンパク質合成を促進する働きがあるわけで、ならば筋トレ後のリカバリーにも使えるのでは?と考えるのが自然でしょう。なかでもホエイプロテインは、アミノ酸の組成がいいのと分解吸収がスピーディなおかげで、非常にトレーニングの回復にも使えるのではないか、と考えられてるんですな。
ってことで新しく出たデータ(1)では、「ホエイプロテインで筋トレの疲れは取れるの?」って問題をガッツリ調べてくれて有益でした。
これはライムリック大学の研究で、過去のホエイプロテイン実験から質が高い13件をまとめたメタ分析になっております。サンプル数は512人で9割は男性。そのうち7割は筋トレ歴が浅い人を対象にしたみたい。
だいたいのデータがどんな感じかと言いますと、
- 1日に飲むホエイプロテインの量は平均で25g(だいたい20〜120gの範囲)
- 筋トレの前に飲んだ実験が23%で、後に飲んだ実験が62%、前後に飲んだ実験が15%
- すべてのデータには、「なにも飲まない被験者」がちゃんと用意されている(=データの質は高い)
- だいたい筋トレを終えてから96時間までの疲労感などをチェックしている
って感じです。実はホエイプロテインと疲労感について調べたメタ分析って初めてでして、なかなか貴重なデータになってるのではないかと思います。
さて、その結果がどうだったかと言いますと、
- ホエイプロテインは、トレーニング後24~96時間の筋肉の機能低下をやわらげる効果がある!(効果量は0.4〜0.7のあいだ)
- ホエイプロテインを飲むタイミングは効果と関係がない(いつ飲んでもホエイプロテインの機能は得られる)
って感じでして、わりとマイルドな効果ながらも、だいたい1日25gを飲んどけば疲労回復の効果は得られるらしい。これは使えますなー。
ただし、ホエイプロテインには効果がないポイントもありまして、
- トレーニング後の筋肉痛には無意味
- クレアチンキナーゼの数値にも影響がなかった(つまり、筋肉のダメージがやわらいだわけではない)
って結論も出てたりします。となると、ホエイプロテインで筋肉の機能が改善するのは、ダメージが修復されたわけじゃないってことなんでしょうな。
正直、ホエイプロテインが効くメカニズムはよくわからんのですが、考えられるとすれば神経系に作用してるんですかねぇ。このあたりは今後のリサーチに期待ってことで。
いずれにせよ、ホエイプロテインが効くのは間違いないので、とりあえず1日25〜40gぐらいの範囲で飲んで見るのが良いのではないかと。特に高ボリュームで筋トレをしているような方や、仕事で激しく体を動かすような人にもよろしいのではないでしょうか。