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今週末の小ネタ:パートナーとの喧嘩を解決する方法、こんな子供は頭がいい、人間のヤバい性格と性差別の関係

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ひとつのエントリにするほどでもないけど、なんとなく興味深い論文を紹介するコーナーです。   

  

 

パートナーとの喧嘩を一瞬で解決する方法 

パートナーとの関係を一瞬で改善する質問はこれだ!みたいなおもしろいデータ(R)が出ておりました。

 

 

で、まず結論から行っちゃうと、その「パートナーとの関係を一瞬で改善する質問」ってのはこんな感じです。

 

  • いまから1年後の視点から見たら、パートナーとのケンカについてどう感じるだろう?

 

もし今のパートナーといさかいが起きたら、1年後の視点から見直してみるわけですね。

 

 

これは337人を対象にした研究で確認されたもので、どんな実験だったかと言いますと、

 

  1. 最近パートナーと起こした喧嘩やムカついたことを思い出してもらう
  2. その後で、参加者の半分に上の質問について考えさせて、どんな変化が起きるかを調べる

 

みたいになってます。その結果、パートナーとの1年後の未来について考えたグループは、すぐに幸福がアップし、パートナーとの関係を前向きにとらえられるようになったそうな。

 

 

研究チームいわく、

 

私たちがパートナーと金銭や対人関係などで口論するときは、いまの感情が原因になって喧嘩がエスカレートしてしまう。しかし、2人の将来の関係を思い描けば、現在の感情から焦点が移り、ケンカをやわらげることができる。

 

とのこと。ケンカが始まったばかりの頃は感情も新鮮なんで、そのせいで口論がヒートアップするのはよくある話ですもんねぇ。パートナーとのケンカが多い方はぜひお試しください。

 

 

 

こんな子供は頭がいい!みたいな研究の話

大人になってから頭が良い子供の特徴はこれだ!みたいなデータ(R)が出ておりました。

 

 

これは144人の男女を対象にした調査で、

 

  1. 全員の子供時代に、幼稚園の教師からパーソナリティのチェックを受ける
  2. 約40年後にインタビューを実施して、幼稚園時代のデータとくらべる

 

みたいな内容になってます。そこでどんな傾向が確認されたのかと言いますと、

 

  • 子供のときにおしゃべりだった参加者は、大人になってからの知性が高かった
  • 子供のときに謙虚だった参加者は、大人になっても自分の能力を小さく見積もり、不安になりがちな傾向があった
  • 衝動的だった子供は大人になってもやっぱり衝動的で、その逆もまた然り
  • 子供のときに適応力を評価されていた参加者は、明るく知的好奇心の強い大人に成長した

 

だったそうです。まさに三つ子の魂みたいな結果ですが、なかでも大人になってからの知性は、子供時代の言葉の流暢さで予測できるっぽいんですな。

 

 

チームいわく、

 

特定のパーソナリティは私たちの中に残り続ける。パーソナリティは私たちの一部なのだ。

 

人生の出来事も私たちの行動に影響を与えるが、将来の行動を理解する上では、やはりパーソナリティの力を認めざるを得ない。

 

とのこと。まぁ子供時代はほとんど言葉を発さなかった(らしい)私は涙目な結果だったわけですが……。

 

 

 

人間のヤバい性格は性差別的な文化でブーストする?

ダークトライアドといえば、当ブログではおなじみの「人間が持つ邪悪な3つの特性」のこと。ナルシシズム、サイコパス、マキャベリズムといった性格特性を意味してまして、これら3つの特性を同時にあわせ持っている人は、

 

  • とにかく虚栄心が強い
  • 他人に冷たい
  • 他人を操ろうとする
  • 衝動的に行動する
  • 自分のことしか考えない

 

みたいな傾向がありまして、とにかく近寄りたくないタイプだったりするわけです(これが意外と社会では成功するケースも多いから困っちゃうんだけど)。

 

 

で、新しいデータ(R)もダークトライアドにまつわる話で、「社会の性差別がダークトライアドの性質を助長してるんじゃないの?」って結論になっておりました。

 

 

これは295人のアメリカ人男女を対象にした調査で、「どれぐらいダークな性格を持ってるか?」と「どれぐらい性差別的な考え方を持ってるか?」ってポイントを調べて、2つの相関レベルを確かめたものです。ここでいう性差別思考は、「男性は女性を支配することで権力を得ようとする」みたいな文章に賛成するかどうかでチェックしたそうな。

 

 

それでどんな傾向が見られたかと言いますと、

 

  • 全体的に、男性は女性よりもダークな性格のスコアが高く、より性差別な思考を持っている確率が高かった
  • 男女ともに、性差別のスコアとダークトライアドの間には相関関係が見られた

 

ということで、予想どおり性差別的な思考とダークトライアドには関係が見られたみたい。

 

 

もちろん、この研究だけを見ても、性差別のイデオロギーがダークトライアドを助長しているのか、それともダークトライアドを持つ人々が性差別的な態度をとる傾向があるのかは判断できないんだけど、とりあえず研究チームは「性差別はダークトライアドを助長する原因として考えたほうがいいんじゃないの?」と指摘しておられます。まぁありそうな話ですよね……。

 

 


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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