人生の成功に欠かせない「プランフルネス」を使いこなす4つの戦略とは?
ちょい前に「人生の成功にはプランフルネスが必要だ!」みたいな話を書いたことがございます。
なんだか耳慣れない言葉ですが、すごーくざっくりと言ってしまえば、
- 欲望に立ち向かうのではなく、そもそも欲望に抵抗しなくてもいいように事前に計画しておける能力
みたいなことです。たとえば「運動したくない!」ってときに「運動中の辛い体験を客観的に見てみると楽になる!」という話がありましたが、これもプランフルネスのひとつ。あらかじめ「運動が辛くなったら客観視線を起動させるぞ!」と計画しておいて、「運動の辛さ」そのものには真正面から挑まないようにするわけっすね。
こうなると、具体的に「ゴールの達成率を高める計画の建て方とは何か?」ってところが気になりますが、そのへんを調べてくれた研究(R)が出てましたんでまとめておきます。
これはワイオミング大学などの実験で、2つの実験を通して「事前にどんな作戦を立てておくのが有効か?」ってところをチェックしてます。具体的には、合わせて179人の学生を対象にした調査で、どちらも基本的なデザインは同じです。
- 被験者に「どんなゴールを達成しようとしたか?」や「誘惑に打ち勝つためにどんな戦略を使ったか?」などのポイントを、毎日スマホに記録してもらう
- どのような戦略がもっとも効果的なのかをチェックする
みたいになってます。最終的には4,139件のレポートが集まりまして、学生たちが報告したゴールは「成績の改善」とか「ハーフマラソンを走る」とか「もっと倹約する」みたいなごく普通のものがほとんどだったとのこと。
そのうえで、すべてのデータを分析したところ、「効果がある戦略」として4つが浮かび上がったそうな。
1. 状況選択
「ここで誘惑に直面する!」とわかっている状況をどうやって避けるかを、事前にプランニングしておく方法。たとえば、
- 「ジャンクフードが食べたい!」と思ったら、コンビニやファーストフード、スーパーマーケットのスナック売り場を通らないようにする
- 勉強中にネットで気がそれると思ったら、ネットがつながらない場所で作業する
みたいなことですね。定番中の定番ですな。
2. 状況変更
誘惑の可能性がある状況を完全に避けられない場合に、その影響ができるだけ減るように状況を変える方法。
- ネットがある環境で勉強をしなきゃならないなら、気がそれそうなサイトは遮断しておく
- ダイエット中に自宅にお菓子が会ったら、せめて高い戸棚の奥に放り込む
みたいなことですね。状況選択ができないときはこちらを使うのが定番っすね。
3. 気散らし
誘惑から注意力をそらす方法。たとえば、
- 食べ過ぎや飲み過ぎをしそうなときは、会話に没頭しするように切り替えたり水で紛らわしたりする
- 仕事に関係ないサイトにアクセスしそうになったら、とりあえず「ストップ!」と脳内で叫ぶ
みたいなことっすね。その場しのぎのようですが、「思考の棚上げ」は結構よく使われる手法なんでよろしいのではないでしょうか。
4. 再評価
誘惑に対する考え方を変えて、誘惑そのものが魅力的でなくなるようにする方法。たとえば、
- 加工肉を食べたいと思ったら、動物の筋肉が無残に切り裂かれたものを口にしている様子を思い浮かべる
- ネットなんてダメ人間が見るものだ!とか考え直してみる
みたいなやつですね。これまたよく使ってる人は多いんじゃないでしょうか。
というわけで、いずれのテクニックも、たんに意志力だけで誘惑に立ち向かうよりはかなり効果があるみたい。誰でも人生で一度は使ったことがあるだろう手法ばかりですが、とりあえず「誘惑に負けそうだ!」みたいな場面になっったら、この4つの手法を思い出してどれかを試してみちゃいかがでしょうか。
ちなみに、これら4つの手法は場面によって効果が違うので、どれかひとつがダメだったとしても、あきらめずに別の戦略に切り替えてみるのがおすすめです。また、冒頭にのべた「プレイフルネス」を鍛える手法としては「自分がゴールを達成できないのはなぜか?がよくわかる30問」などにくわしいので、合わせてご参照ください。