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今週半ばの小ネタ:夜のアレの運動量、うま味の減塩効果すごすぎ、睡眠不足を解消するナイスな方法


ひとつのエントリにするほどでもないけど、なんとなく興味深い論文を紹介するコーナーです。

   

 

 

睡眠不足を解消したけりゃ「光」と「時間」の管理だ!

若者の睡眠不足を解消する方法を見つけたぞ!って報告が、ラッシュ大学などから出ておりました(R)。多くの人は、だいたい中学生ぐらいから夜ふかしの量が増えていくんですけど、この問題を解決するにはどうすればいいのかってことですね。

 

 

実験は14歳から17歳までの学生46人が対象で、グループを2つにわけたうえで、そのうち半分に以下のような指示を出しております。

 

  1. 週末の土日の朝に、意識して明るい光を浴びる(合計で2.5時間)

  2. 時間管理ツールを使い、夕方からの過ごし方を変えるように意識する(放課後の活動を制限したり、夜のスマホ利用を制限したり、寝る前に漫画を読むのをやめたり)

 

ってことで、要するに「光療法」と「時間管理」を組み合わせて、参加者の体内時計をガッツリ変えようとしたわけですね。一方で残りの半分は光療法と時間管理はせず、1週間だけ普通に眠ってもらったとのこと。

 


そのうえで、みんなの睡眠時間と体内のメラトニンレベルなどを調べたところ、

 

  • 光療法」と「時間管理」を行ったグループは、就寝時間を1時間半ほど早めることができ、総睡眠時間も約1時間増加した。

 

  • ついでに朝の目覚めも改善し、疲れやイライラ、心配事が少なく、集中力が増えた。

 

というわけで、トレーニングを行った若者は、ガッツリと睡眠の状態が改善したらしい。確かに、光療法と時間管理はどっちも定評がある方法なので、2つを組み合わせたら効果は出やすいでしょうね。

 

 

そんなわけで、いま睡眠にお困りの方は、週末の土日だけでもいいので「朝に明るい光を浴びるぞ!」と心がけつつ、「睡眠を改善するぞ!と誓ったときに使っていたチェックリスト」などを参考に、夜の時間の過ごし方を変えてみるとよいかもしれません。

 

 

 

うま味でどれぐらい日本人は減塩できるのか?

「健康のためには食塩を減らしたほうがいいよー」ってのはもはや常識。塩分を減らすことで、高血圧、腎臓の病気、心臓の病気などのリスクを減らせるのは間違いないところです。

 

 

そこで、新たに東大などの先生方が、「食塩をうま味に置き換えたらどうなるか?」を調べるデータ(R)を出してくれまして、非常に参考になりました。ご存じのとおり、うま味ってのは甘味、塩味、酸味、苦味と並ぶ味覚のひとつで、グルタミン酸、イノシン酸、グアニル酸などが有名っすね。こいつを使うことで、ご飯の美味しさは保ちつつも、塩の量を減らすことができるんじゃないかと考えられるわけっすね。

 

 

これは日本の「国民健康・栄養調査」を使った研究で、ここからいろんな人の塩分摂取量を推測。そのうえで、

 

  1. 食塩が多い食品の30%をうま味に置き換えたらどうなるか?

  2. 食塩が多い食品の60%をうま味に置き換えたらどうなるか?

  3. 食塩が多い食品の100%をうま味に置き換えたらどうなるか?

 

といった3つのパターンで、その効果を計算したんだそうな。その結果がどうだったかと言いますと、

 

  • 食塩が多い食品の100%をうま味に置き換えたら、日本人の塩分の摂取量は1日あたり0.24~0.43gぐらい経る。

 

  • 食塩が多い食品の100%をうま味に置き換えたら、日本人の塩分の摂取量は平均で12.0~21.1%減る(1日あたり1.27~2.22gぐらい減らせる)。

 

だったそうです。個人的には、100%を置き換えても意外と減塩にはつながらないのかなーとか思いましたけど、これはあくまで試算なので、意識して減塩を目指しつつうま味を使ったら、もうちょいガッツリ減らせるんじゃないかなーと思うわけです。

 

 

ってことで、「減塩しないとなー」と思っている方は、ガンガンに味の素を使っていただければいいんじゃないでしょうか。

 

 

 

夜のアレはどれぐらい良い運動なのか?問題

夜のアレはどれぐらいの運動になるのか?」を調べたメタ分析(R)が出ておりました。夜のアレは、エクササイズとしてどれぐらいの負荷があるのか?って問題ですな。

 

 

これは1956年から2020年の間に発表された18の研究をまとめたもので、参加者の合計は349人(男性264人、女性85人)。それぞれの研究のデザインは違いますが、多くの実験では、さまざまなポジションで夜のアレをシミュレーションしつつ、心拍数、血圧、酸素使用量などをチェックし、さらには筋肉や関節にかかる負荷も測定しております。

 

 

これらのデータを大きくまとめたところ、だいたい以下のような結論が出ております。

 

  • 夜のアレの1回あたりの消費カロリーは、一般的に100キロカロリー程度だった。ただし、1回あたりの時間は人によって大きく異なり、500組以上のカップルに行った調査では33秒から44分までの幅があるため、この数値は個人によって大きく変わると思われる。

 

  • 夜のアレの平均心拍数は1分間に90から130で、クライマックス時には170bpmまで達する(ちなみに、成人の安静時の心拍数は60~100ぐらい)。

 

  • すごーく当たり前だけど、身体への負担がもっとも大きいのは腰で、特に正◯位の時のダメージが大きい。腰への負担を減らすには、バ◯クがもっとも良いと考えられる。

 

ってことで、1回あたりの平均が100キロカロリーってことは、だいたいウォーキングなら25分、筋トレなら20分、ジョギングなら15分ぐらいになる感じっすね(もちろん体重によって消費カロリーは変わりますが)。さらに最高潮時には170bpmまで達することを考えると、わりと良い運動だと言えるかもしれないっすねー。

 


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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