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1日5分ほど創造性を使うだけで、脳とメンタルが整うぞ!という本を読んだ話

 
 

毎日のクリエイティブ(Daily Creative)』って本を読みました。著者のブライス・ハリスさんとマロリー・メイさんはアーティスト兼起業家のコンビで、「創造性を“特別なスキル”ではなく“日常のセルフケア”として扱おうぜ!」という活動をしている人たちだそうな。「クリエイティブはセルフケアである」って視点は、かなり良いっすね。

 

本書のテーマをひとことで言うと、「創造性は才能じゃない!毎日ちょっと使えば脳が変わるぞ!」って話です。デカい作品を作るとか、センスを磨くとかじゃなくて、1日5分の“ゆるい創造性”で人生の質が上がるよ、という主張でして、私も似たようなことを日ごろ思ってたんで、いろいろと首肯するところが多い一冊でありました。

 

ということで、いつも通り本書から勉強になったポイントをまとめてみましょうー。

 

 

  • 著者いわく、「自分はクリエイティブじゃない」と思ってる人のほとんどは、単に“やめただけ”である。創造性は才能ではなく筋肉みたいなもので、使わなければ鈍るし、使えば戻る。たとえば、子どものころに絵を描いてバカにされたとか、発表したアイデアがスベったとか、そういう経験で「もうやらない」と決めてしまった人は少なくないが、それでも私たちが持つ本来の創造性が消えるわけではない。

 

  • ここでポイントなのは、創造性を止める原因は「能力不足」ではなく「評価への恐れ」だという点である。人は“うまくやろう”とした瞬間に、脳が監視モードに入り、自由な発想が止まってしまう。なので、創造性を取り戻すには「うまくやるのをやめる」という逆転の発想が必要になる。

    また、ここで面白いのが「創造性を高めるためには、長時間取り組まなくてもいい」という点である。一般的には「何かを変えるには努力と時間が必要」と思いがちだが、脳は必ずしも「たくさんやったから創造性が上がる」という方向には働かない。むしろ、短時間でもいいから頻繁に新しいことをやるほうが、思考の柔軟性(認知のクセの切り替え)は高まる。

 

  • 実際、多くの研究では「5分だけ落書きした」とか「適当にアイデアを書き出した」みたいな軽い行動でも、終わったあとに「なんかちょっとスッキリしたな」と感じられるケースが多いことが報告されている。この“ちょっとした変化”こそが最も重要なポイントであり、創造性の価値はアウトプットの質ではなく、脳の状態を変えることにあるとも言える。

 

  • さらに重要なのが、創造性とメンタルの関係である。こちらも多くの研究により、創造的な活動には、ストレスの軽減、不安の低下、感情の安定といった効果があることが認められており、これは瞑想で得られるメリットとかなり似ている。ただし、瞑想が「思考を止める」方向でメンタルを改善するのに対して、創造性は「思考を遊ばせる」方向で働くため、じっとしてるのが苦手な人にはこっちのほうが向いている可能性が高い。

 

  • しかし、クリエイティブなことをする際に、多くの人がハマる落とし穴が「完璧主義」である。「ちゃんとしたものを作らなきゃ!」「意味のあることをしなきゃ!」「上手にやらなきゃ!」みたいに考えすぎてしまい、自ら創造性を殺してしまう人は多い。

    完璧主義が良くないのは、このメンタリティが脳の注意を「評価」に向けてしまうからである。本来、創造性を発揮するためには「試す→ズレる→また試す」というプロセスが必要なのに、評価モードに入るとこのループが止まってしまう。

 

  • この完璧主義の問題を解決するシンプルな方法は、「制約」を入れることである。たとえば、なにか創造的な作業を行うときに「利き手じゃない手で描く」「5分で強制終了する」「同じテーマで繰り返す」といったルールを設定すると、自然と「うまくやる余地」が減るせいでハードルが下がり、自然と「遊びモード」に入ることができるようになる。

 

  • また、著者が強調しているのが、「創造性は成果ではなく“生きる感覚”の問題」という点である。創造的なことをしたあと、人はよく「ちょっと世界が鮮やかに見える」「自分に戻った感じがする」「頭が軽くなる」といった感覚を覚える。これは、注意力と好奇心が回復した状態であり、現代人が特に失いがちな感覚だと考えられている。スマホや仕事に追われていると、どうしても脳は“消耗モード”に入りがちだが、それをリセットする手段として創造性が機能する。

 

  • 創造性を発揮するために、著者は以下の基本ルールを提案している。

    • 毎日やる(頻度が命):朝コーヒーを飲みながら1ページ書く、寝る前に5分だけスケッチする、通勤中にアイデアを3つ考えるなど、既存の時間に創造的な瞬間を組み込んでみると吉。

    • 5分でいい(短さが重要):5分だけ落書きする、5分だけ文章を書く、5分だけアイデアを出す、といった感じでOK。強制的にスタートするのがコツ。

    • 評価しない(良し悪しを考えない):創造性が死ぬ最大の原因は、「これ意味あるの?」という自己評価なので、誰にも見せない、保存すらしなくていい、上手さを気にしない、というスタンスを推奨。

    • 遊びとしてやる(成果を求めない):成果を求めてやると創造性は死ぬので、利き手じゃない手で描く、3色だけで描く、1つのテーマだけで考える、1ページをマス目で区切って埋めるみたいに制限をつける。こうすると、「この条件で何ができるか」 に意識が向くので、自然と実験モードに入る。

 

 

ということで、いろいろ書いてきましたが、著者の主張はかなりシンプルで「創造性はすごいものを作るためじゃなくて、脳とメンタルを整えるために使え!」みたいになりましょう。もし「最近ちょっと余裕ないなー」とか「なんか毎日つまらんなー」と感じているなら、それは創造性が不足しているサインかもしれないので、1日5分ずつなにかを適当に遊ぶ時間を作ってみてもいいかもですな。お試しあれー。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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