なぜ人はストレスで無駄遣いしてしまうのか?研究が示した3ステップ
「ストレスたまると、つい買い物がしたくなる……」みたいな経験はないでしょうか? 仕事で追いつめられていると、ついガジェットや服などを買ってしまい、気づけば使ってないアイテムだらけになって「これってただの浪費では?」と薄々感じつつもやめられない……みたいな経験であります。もちろん、私もストレスで謎ガジェットをつい買ってしまうタイプです。
では、なぜこのような「ストレス下でのネットショッピング」が発生してしまうのかってことで、最近のデータ(R)がわりと納得感のある結論を出してくれておりました。
これは国立屏東科技大学などの研究で、「補償的消費」って心理現象を掘り下げたものです。これはざっくり言えば、
- 心の穴をモノで埋めちゃう行動
- 自己評価が下がったときに、これを買い物で補っちゃう行動
みたいな感じでして、「仕事で評価されなかったから高い服を買う!」や「人間関係がうまくいかないからガジェットを衝動買い!」といった現象のことです。わりと誰でもやってる行動じゃないでしょうか。
で、なかでも「補償的消費」を引き起こしやすいのが「孤独感」だと言われていて、「人間関係が満たされていない!」って不快感をなんとか埋めようとして、多くの人は買い物に走るんじゃないか?って説があるんですよ。
ってことで研究チームは、過去3か月以内にオンラインショッピングをした台湾の男女364名に協力を依頼。年齢は19歳から60歳までで、ミレニアル世代が比較的多めだったそうな。
その上で、みんなの「主観的な孤独感はどれぐらいか?」や「買い物で心の穴を埋めようとしてるか?」などを調べ、これを全員のオンラインショッピング依存レベルと比べたところ、結果はこんな感じになりました。
- 孤独感が強い人ほど、補償的消費も強い傾向があった
- 補償的消費が強い人ほど、顕示的消費も強い傾向があった(顕示的消費は、他人に豊かさや地位を見せるための買い物のこと。たとえば、「友人や周囲に裕福だと思われるために商品を買う」みたいな感じ)
ということで、孤独感が強い人ほど買い物で気分を補おうとしやすく、それが他人に見せびらかしたい気持ちを生み、最終的にオンラインショッピング依存につながる……という一連の流れが見えてきたわけですな。
この結果の重要なポイントは、上記の流れのなかで「補償的な買い物」が「顕示的な買い物」に変わってるところでしょう。最初は「自分の孤独を癒やすため」に買っていたはずなのが、多くの人は、だんだんと「これ持ってる自分、よくない?」「これ見せたら評価されるのでは?」みたいな気持ちを抱きはじめ、「他人に見せるための消費」にどんどんシフトしてしまい、そのせいでショッピング依存が起きちゃうってことですな。
でもって、この「補償的消費→顕示的消費」のループが回り始めると、依存の症状はどんどんエスカレートしていくようでして、研究で使われた「オンラインショッピング依存」の特徴は以下のような感じです。
- 常に買い物のことを考えてしまう
- やめようとしてもやめられない
- 同じ満足感を得るために、どんどん金額が増える
- 買えないとイライラする
ということで、依存症の典型的なテンプレみたいになってますね。
その点で、現代のオンライン環境ってのは、孤独→補償→顕示→依存って流れが強化されるように設計されてまして、たとえば、
- SNSが承認欲求を刺激する
- レコメンドの仕組みが欲しいものを無限に提示してくる
- ワンクリック購入のせいで行動コストが下がりまくる
みたいな感じですね。要するに、「孤独 → 買う → 見せる → また欲しくなる」というループをかき立てるようになってまして、これはショッピング依存になる人が出るのも、当たり前でしょうな。
じゃあどうすればいいのか?ってことですけども、この問題に立ち向かうポイントはたんに「ループのどこかを断つ!」ってことになるでしょう。上述のとおり、孤独が直に依存のトリガーになるわけじゃないんで、どこかで流れを断ち切ることができれば問題は起きなくなるわけです。なので、留意すべきこととしては、
- 「孤独の解消」を優先する:一番根っこは孤独なので、週1回でも対面で人と会ったり、軽い雑談でもいいから会話を増やしたりするだけでも買い物の衝動は減るはず。研究的にも、孤独の軽減は衝動的な行動を抑制してくれると報告しております。
- 「見せる消費」を減らす:顕示的消費に入ると依存が加速しちゃうので、「何かを買ってもSNSに投稿しない」や「ブランドで自己評価をしない」って2つを守るだけでも、ヤバいループは切れやすくなるはず。
- 「待つ仕組み」を入れる:欲しいものは24時間寝かせる、カートに入れて即決しないなど、とにかく即効で買わないためのルールを作る。シンプルな考え方だが、私たちの衝動は時間とともに弱まるので、これだけで無駄な購入はかなり減る。
みたいになるでしょう。とにかく、孤独は買い物を増やし、その買い物が「見せるため」に変わるのが一番良くないんで、そこまでのどこかで流れを断ち切っておきたいところっすね。あくまで問題は「買い物」じゃなくて「孤独の扱い方」にありますんで、「また無駄遣いしちゃった…」と自分を責める前に、「最近、人とちゃんとつながれてるか?」をチェックしてみるといいかもですな。



