収入が増えても幸福にはなれないので、高収入より経済的な安定を目指そう!という話
「金で幸福は買えんぞ!」 ってデータはいろいろありまして、当ブログでも、
みたいな話を紹介してきました。
要するに、大金を持っても幸福感には上限があるし、物を買っても幸せにはならないから、どうせ使うなら人間関係のために金を使ったほうがいいよって話ですね。このへんは幸福学の基礎としておさえておくといい感じ。
そんな状況下、あらたにスターリング大学から出た論文(1)は、金と幸福の問題に新しい視点をつけくわえていて面白いです。
これは18,527名の男女を9年にわたって追跡調査した研究で、全員のビッグファイブ(精度の高い性格テスト)を調べたうえで、収入の変化と人生の満足度を記録していったみたい。
その結果を並べると、
- たいていの人は、収入が増えても幸福度は短期的にしか上がらない
- ただし、いったん上がった収入が減ると幸福度は大ダメージを受ける
- この効果は、「誠実性」のレベルが高い人ほど大きい
- 「誠実性」のレベルが低いと収入低下のダメージは少なくなる
みたいな感じ。「誠実性」は性格のまじめさを表す数値で、意思力や自己コントロール能力の高さと関係しております。「誠実性」が高い人ほど人生で成功しやすく、寿命も長い傾向があると言われてまして、かなり大事な要素のひとつ。
研究者いわく、
一般的には、収入が上がるごとに人生の満足度も上がると考えられている。しかし、今回のデータによれば、その考え方は間違いだ。
本当に幸福への影響が大きいのは、収入の増加よりも減少だ。特に誠実性が高い人にとっては、この影響が大きい。
とのこと。確かに、わたしがギャンブルをしないのも、勝ったときの興奮より負けたときの絶望感が嫌いだから。自分の誠実性は普通レベルですが、この説は非常に共感できます。
経済的に発展した国に住む大半の人にとって、収入の増加は幸福をもたらす重要な要素ではない。
本当に幸福をつかむためには、わたしたちは経済的な安定を優先すべきだ。そして、収入が激減した人を保護するのが国の役目だ。
確かに、短期的に高収入を得るよりも、そこそこ食えるぐらいの収入が安定したほうがメンタルには良さそうですもんね。
そんなわけで、お金で幸せになりたいなら、目先の大金よりも長期の安定を目指したほうがいいよーって話でした。かく言うわたしも収入が安定している方じゃないんで、いろいろ身につまされますね(笑)