ピンクの「ヒマラヤ岩塩」が地上で最高の塩って本当?
ヒマラヤ岩塩は本当に体にいいのか?
ヒマラヤ岩塩に関するご質問をいただきました。
ヒマラヤ岩塩がとてもいいという話を聞くのですが鈴木さんはどう思われますか?よく眠れるや免疫があがるみたいな話もあるようで気になります!
ヒマラヤ岩塩ってのはパキスタンで採れる岩塩でして、ピンクの色味が特徴。高級レストランなんかでたまに見かけるやつですね。
ヒマラヤ岩塩で体がメキメキ健康になる?
ヒマラヤ岩塩は普通の塩にくらべてミネラルが豊富で、カルシウム、カリウム、マグネシウム、クロミウムなんかが入ってたりするんで、「体にいいんじゃない?」と言われてるんですな。実際、ネットでちょっと検索すると、
- デトックス作用がある
- 消化機能が上がる
- 体全体が健康に
なんて主張が出てきてビビるわけです。当ブログでは「デトックスって言葉が出てきたら気をつけろ!」ってのが基本スタンスなんで、この時点で「うーん」と思うわけですが、もうちょい書いてみましょう。
第一に、ヒマラヤ岩塩のミネラルは実は少ない
さて、ヒマラヤ岩塩については、SPEX CertiPrep社(ミネラル類の調査を行う専門機関)が2012年に調査(1)を行っています。市場で売られている12種類の高級塩を分析して、「どれぐらいのミネラルが入ってるの?」ってとこを調べたんですね。
俎上に上がったブランドは、ヒマラヤン・ピンク・ファインソルトやプリモーダル・ヒマラヤンソルトみたいな定番のヒマラヤ岩塩から、ハワイアンシーソルト、キプロスブラック、ブラックソルトのような別種の高級塩までさまざま。
まず分析の結果をざっくり述べますと、
- 前提として、高級塩にふくまれる必須ミネラルの量は超少ない
ってのがポイントですね。具体的に言うと。
- もっともカルシウムが多かったシーソルトでも1gあたり1.4mgほど(1日必要量の0.1%ぐらい)
- もっともカリウムが多かったブラックソルトでも1gあたり29mgほど(1日必要量の0.6%ぐらい)
- もっともマグネシウムが多かったフランスの高級塩でも1gあたり1.4mgほど(1日必要量の2%ぐらい)
といったところ。ほかにもクロミウム、鉄分の数値も出てますけど、いずれも微々たる量しかふくまれておりません。
さらに高級塩には有害な重金属も入ってるぞ
さらに、この分析が怖いのは、
- 有害な重金属もそこそこ入ってるよ!
って結果も出てるとこでしょう。具体的に言いますと、
- 鉛:ほとんどの商品から薬0.5mcgが検出された。0.5mcgってのは、普通のサプリから出たらちょっとヤバいかなーぐらいのレベル。
- ヒ素、カドミウム、水銀:ほとんどの消費から検出されたが、ここらへんは無視してもいいレベル
- タリウム:大半の商品は1gあたり1mcgを超えないレベルだったが、ブラックソルト系からは1mcg以上が見つかった。といっても、タリウムの危険域は1,000,000 mcgなんで、これまた心配しなくていいレベル
ってことで、どうやら「鉛」だけは、ちょっと心配なレベルでふくまれてる可能性が高いっぽい。日本で売られてる商品がどれだけ重金属テストをしてるかは知りませんけど、嫌になっちゃうデータですな。
まとめ
以上の話をまとめると、
- ヒマラヤ岩塩に代表される高級塩には、世間で言われるほどミネラルは入ってない
- それどころか、体に害がある重金属をふくむ可能性も高い
ってところです。この結果を見ると、個人的にヒマラヤ岩塩を使おうとは思わないわけです。
まぁ高級塩には独特のフレーバーがあるんで、普通の塩より使用量が下がりやすのは美点かも。その点で血圧に問題がある人にはいいのかも…という気もしますが、あくまで推測であります。嗜好品として買うなら別として、健康目的ではオススメしませんね。