超簡単に筋トレの効率をアップさせる「ベロシティベースド・トレーニング」の考え方
筋トレのレベルは重量や回数で計るのが一般的ですけど、近ごろよく言われるのが「速度」であります。
これは重りを上げ下げするスピードをベースに判断する方法で、俗に「ベロシティベースド・トレーニング」などと言われております。下手に重量や回数を使うよりも、実はこちらのほうがトレーニングのボリュームを正確や負荷なんかを性格に判断できるんじゃないの?と考えられてるんですな。
というと難しそうですが、基本は非常にシンプルで、
- できるだけ素早くバーベルを動かそうぜ!
ってことです。これを意識して筋トレをするだけで、適切なエクササイズのレベルに自動的に落ち着くというんですな。いやー、実に手軽でいいですな。
そんなわけで、私も最近はもっぱらベロシティを意識しながら筋トレをしております。あんま重量調整のことを考えなくていいので非常に楽。
といったところで、今回は「ベロシティベースド・トレーニング」の効果を高める方法について調べた論文(1)の話でも。
これは中京大学や琉球大学の実験で、40人のラグビープレイヤーが対象。平均年齢は21歳ぐらいで、みんなに以下のトレーニングを指示しております。
- 60kgのバーベルを使ってジャンプスクワットをする
- 5回3セットのトレーニングを週2回ずつ
- 週に1回は1RMの75%で8回3セットを行う
- みんな「できるだけ高く飛んでね!」と指示される(ベロシティベースドトレーニングですな)
さらに、その際に全体を4グループに分けております。
- 1回のスクワットごとに「どれぐらいのスピードでバーベルを動かしたか?」のフィードバックを与える(GYM AWAREって器具を使ったらしい)
- 1セットのスクワットごとにスピードのフィードバックを与える
- 1セットのスクワットごとに、自分のスクワットを撮影した動画を見せる
- なんのフォードバックも与えない
ってことで、「自分はどれぐらいのスピードで筋トレができたか?」を知ることで、どれぐらいトレーニングの成果が上がるかを確かめたわけです。勉強でも運動でも、パフォーマンスを上げるためには的確なフィードバックが必須ですからねぇ。
実験期間は4週間でして、結論は非常にシンプルです。
- 1回のスクワットごとにフィードバックを与えられたグループだけ、ジャンプスクワットの速度が向上した(d=0.60-1.58)
だったそうで、どうやらバーベルを上げ下げするごとにフィードバックがあれば、筋トレの成果はグンと上がるっぽい。検定力が低めな実験ではありますが、なかなか参考になる結果ではないでしょうか。
もちろん、この実験だと専門器具で筋トレスピードを計測してるんで、同じことはできません。が、とりあえずはバーベルを動かすごとにスピードを意識するのが一番大事なんで、
- バーベルを1回動かすごとに「ひとつ前の上げ下げスピードよりも速いか遅いか?」と自分に尋ねてみる
ってだけでも其れなりに効果はあるかと思われます。さっそく次回から意識しながらやってみるか。