たった3分でメンタルも頭も良くなる可能性がある技術「rTMS」を試してみたいもんですなぁ
「rTMS」って治療法があるんですよ。病気で体にマヒが残った方などのリハビリに使われるもので、頭の上に当てたコイルで磁場を発生させて、脳内の電流の活動を高めるって手法です。おもにワーキングメモリとかにかかわるようなエリアを刺激して、活性化してくれるんですな。
というと何やら怪しげな印象があるかもですが、わりと30年近いデータの蓄積がありまして、すでにFDAも認可してたりします。
でもって、この手法はおもしろいポテンシャルを持ってて、いくつかのデータでは「脳の磁場刺激で頭が良くなったよ!」ってデータもちらほらあるんですな。具体的には、
- 統合失調に悩む30人にrTMSを使ったら有意に認知機能がアップした(2012年,2)
みたいな感じ。なにせワーキングメモリに働きかける技術なんで、当然ながら認知機能にも効きそうな気がするわけです。
さらに、近ごろは「rTMSでメンタルが激しく改善する!」なんて話もありまして、これまた素晴らしいんですよ。こちらもかなり精度が高い話でして、たとえば2014年のメタ分析(1)なんかだと、通常のうつ治療(抗うつ薬とか)が効かない人でも改善の効果がある!って結論だったり。日本でも2017年に承認されたばっかなんで、近いうちに保険適応になるはず。
そんなわけで、個人的に結構な興味がある技術なんですけど、さらに新しい「iTBS」って手法について調べたデータ(3)が出てまして、これがまたなかなか熱いんですよ。
「iTBS」は磁場で脳を刺激するテクニックの一種なんですが、何がすごいって1回のセッションがたった3分で済むところ。「rTMS」は1回30分ぐらいかかるんで、かなりの時短になってるわけですよ。
これはトロント大学の実験で、うつ病に悩む414人の患者さんが対象。みんなに週5回ずつiTBSを受けてもらったところ6週間で、
- 50%が有意に症状が改善!
- そのうち30%はうつが寛解!
ってことでして、かなーりの成果を見せております。1日3分でこんだけの違いが出るなら素晴らしいですなぁ。
まぁこの技術で頭が良くなるかはよくわからんのですが、とりあえずメンタルの不調に効くのはほぼ確実なんで、気になる方は「rTMS」で検索してみていただければクリニックが見つかるはず。どこかで試してみたいもんですなぁ。