結婚は確かにメンタルの安定に効くが、その効果は個人の「あれ」によって左右されるぞ!という研究
「結婚はオワコンだ!(健康面で言えばね)」って風潮も高まってきた昨今でございます。どうやら、昔は結婚にはいろんなメリットがあったけど、社会の構造が変わったせいで過去ほどのご利益が得られなくなってきたみたいなんですな。
では、「結婚がメンタルに与えるメリットはどうなの?」ってのを調べたのが今回の論文(1)です。
これはジョージア州立大学の研究で、3617人の男女が対象。アメリカ政府が行なった統計データを使って24〜89歳までを調べた上で、「結婚ってメンタルにいいの?」って問題をチェックしてくれております。
というのも、過去のデータでは「結婚している人ほど鬱や不安になりにくい!」って傾向が出てまして、それが「やっぱ所帯を持つ方がいいよねー」みたいな風潮を生んでたんですな。果たして、この結論は現代でも通じるものなのか?ってのがポイントなんですな。
さて、そこでどんな結論が出たかと言いますと、
この研究では、結婚とうつ病の発症率の相互関係を調べた。すると、結婚によるメンタルのメリットは、年収が平均よりも下の人にだけ確認された。
だったんですな。さらに具体的には、
なかでも、年収が6万ドル以下の人は、結婚していたほうがうつ病の発症率は低い。しかし、年収がそれよりも高いと、結婚をしてもうつ病の発症率には変化が見られなかった。
とのこと。「人生の幸福は年収6万ドルが上限!」って話がありますけど、なんと結婚がメンタルに与えるメリットも同じぐらいが上限なのかもしれないわけですな。おもしろいっすねぇ。
なんでこんな現象が起きるかについては、研究チームは「結婚リソースモデル」を想定しております。これは「結婚のメリットって共働きによる家計の補完や、ソーシャルサポートの増加によるところが大きいんじゃないの?」って理論でして、まぁ納得できる理屈ですよね。
しかし、年収が6万ドルを超えている場合は、結婚によるリソースの補完が必要なくなる。すでに十分なリソースを持っているからだ。
ってことで、年収が700万円もあれば別に結婚しなくても変わらないんじゃないの?って話になっておりました。要は金だ!ってことですな。
ところが、年収が6万ドル以下の人たちは、結婚によりお金の心配が減るし、自己効力感も増やすことができる。そのため、未婚の人よりもうつ病の発症率は下がるのだ。
そんなわけで、どうも結婚でメンタルの安定を得られるかどうかは、個人の年収に左右されるっぽい。つまり「貧しい人は結婚しよう!」ってことでして、なんとも潤いがない結論が素敵ですね(笑)