粘り強くがんばるだけでは人生は成功しない。では、追加でなにが必要なの?みたいな話
グリットってどうなの?みたいな問題が昔からあるわけです。
グリットは「粘り強くがんばる能力が成功を決める!」みたいな仮説のことなんだけど、いくつかのデータでは子どもの成功を予測した!って結果が出てるいっぽうで、逆にほとんど意味がない!なんて結果も出てたりするんですよ。
つまり、なんだかわからんけど真逆の結果が出がちでして、「どう考えればいいのかなー」みたいな感じなんですな。困ったもんですねぇ。
が、そうは言っても、過去の多くの研究では「マジメな性格の人ほど成功しやすい」って傾向もハッキリ出てるわけで、コツコツとものごとをやり抜く能力が大事なのも間違いない状況ではあります。ならば、当然グリットも重要なんじゃないかぁ……とは思えるわけっすな。
といった状況下、「いままでのグリット研究に足りないのはこれだ!」みたいなデータ(1)が出まして勉強になりました。
これはコロンビア・ビジネス・スクールの研究で、「なんでグリット研究って結果がバラバラなの?」って問題意識からスタートしております。
そのために、研究チームは422人のビジネスマンを集めまして、
- 従来どおりのグリットテストを使い、全員の「目標をやりとげる能力」を測定
- ついでに、全員の「情熱レベル」も測定
- 上記のデータを、それぞれの仕事のパフォーマンスと比較する
って感じで調査を進めたらしい。「情熱レベル」ってのは、参加者が自分の仕事にどれだけやりがいを感じてるかを尋ねて、ざっくりと数値化したものだとお考えください。
つまり研究チームは、「いままでのグリット研究って『情熱』の要素を組み込んでなくない?」と考えたわけですな。言われてみれば、グリットの判断テストって「いかに興味が続くか?」とか「仕事の集中力があるか?」みたいなポイントばっか計測してて、情熱の有無までは問うてなかったですからね。
で、その結果は研究チームの読みどおりで、
- 粘り強さと情熱を兼ね備えた人のみ高いパフォーマンスを発揮できていた!
- 粘り強さだけしかない場合は、逆にパフォーマンスが下がることもある
だったんですな。この研究では248人の学生にも同じ調査をしていて、やはりこちらでも結果は同じだったそうな。
研究チームいわく、
目標に向かってがんばるのはいいが、ゴールへの情熱がなければ、それはただの骨折り仕事になってしまう。これは、なんら驚くべきことではないだろう。
にもかかわらず、いままでの研究は、グリットの粘り強さを前に進めるための要素を特定できていなかった。
今回の研究で分かったのは、ゴールへの情熱と粘り強さがセットにならないと、高みには向かえないという事実だ。
くじけずに困難に立ち向かって成功した偉人の話をよく聞くが、これは本当に大事な要素を半分しか説明していない。
とのこと。まぁ「ただがんばるだけじゃダメだよー」ってのは当たり前の話で、やりがいを感じられないとストレスがたまるばかりでしょうからねぇ。「グリットは情熱を組み込んでない!」って指摘は、言われてみればそうだなー、という。
こうなると、あとは「仕事の情熱ってどうすればいいの?」みたいな話になるわけですけど、過去にブログで取り上げたところでは、
みたいな結果も出てますんで、とりあえず自分の中に情熱を探すのはやめて、まずはジョブクラフティングを意識したほうがよさそうっすね。どうぞよしなに。