「情熱は後からついてくるんだから、とりあえず働け!」という実験データが身にしみる
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以前に「夢や情熱を追っても幸せにはなれんぞ!」って話を書きましたけども、最近出た論文(1)では「情熱は後からついてくるんだから、とりあえず働け!」って結論になっていて思わず納得であります。
これはドイツで行われた調査で、新たなビジネスを起ち上げる直前の起業家54名に対し、まずは8週間にわたるアンケートに答えてもらったんですね。研究者いわく、
起業家たちには、「先週は起業のための仕事にどれだけ労力を割きましたか?」といった質問をぶつけた。同時に、「先週は、新たな会社を作る作業に興奮した」といった文章に、どれだけ同意できるかを採点してもらった。
とのこと。起業家たちの努力と情熱の変化を記録させたわけですね。
その結果は、
- 現在の情熱の量は、先週の努力の量に比例していた
- 努力の量が多くなるほど、現時点での情熱の量も増加した
といった感じ。情熱があるから努力をするんじゃなくて、努力したから情熱的になったわけですね。大金を使い込んだパチンコ台ほど離れにくくなるみたいなもんでしょうか。
さらに、もうひとつの実験では、136名の学生に対してオリジナルの起業アイデアを考えてもらったんですね。その際、全員に以下の様な状況設定をしたんだそうな。
- 考える時間は30分だけ。「これはプレテストなので実験結果には影響がない」と言われる。
- 考える時間は1時間。「この結果が実験データに大きな影響をあたる」と言われる。
- 学生が考えた起業アイデア対して「分析が表面的だ」と言われる。
- 研究者が考えた起業アイデアを押し付けられる
その結果わかったのは、
- やはり情熱は努力の量に比例する
- ただし「前に進んでいる感じ」がないと情熱は増えない
- 仕事に対して選択の自由がないと情熱は増えない
といったところ。つまり、
- なんでもいいから「前に進んでいる感じ」が得られる仕事を選ぶ
- 仕事へのやる気がわく
- 選んだ仕事に労力を注ぐようになる
- 情熱がわく!
って流れになっております。自分がやりたい仕事や興味のある仕事ではなく、とにかく「進歩の感覚」が大きな仕事を選んだほうが、最終的には楽しい人生を送れる可能性は高いみたいっすね。うーん、なんか身にしみる。