科学的に正しい「バレずに嘘をつく方法」は「オシッコを我慢する」だった!
「オシッコを我慢しながら嘘をつくとバレにくい!」って論文(1)が面白かったのでメモ。
オシッコを我慢した参加者ほど嘘がバレにくかった
これはカリフォルニア州立大の実験で、まずは22名の参加者に倫理的な問題(中絶や死刑など)に関するアンケートに答えてもらい、その後でインタビューを受けてもらったんですね。その際、全員を半分にわけて、
- 700mlの水を飲んでから嘘の意見を答える
- 50mlの水を飲んでから嘘の意見を答える
といった2つのグループを作ったんだそうな。インタビューの模様はビデオで撮影されまして、その動画を第三者に見せて嘘を見抜けるかどうかを判断したわけですね。
その結果は、ずばり「オシッコを我慢した参加者ほど嘘がバレにくかった!」というもの。大量の水を飲んだ参加者は、嘘つきに特有の動き(まばたきが増えたり声がうわずったり)が減り、堂々とした態度で自分の意見を述べる傾向が強くなったらしい。また、これは嘘をついた時にだけ起こる現象で、オシッコを我慢しながら本当のことを言っても説得力が上がったりはしないそうな。
オシッコを我慢すると脳が活性化する
なんとも不可解な話のようですが、実は2011年ににも似たような実験(2)が行われてまして、オシッコを我慢した参加者はセルフコントロール能力が高まり、目先の欲望にすぐ飛びつかなくなったんだとか。面白いですねぇ。
こういった現象が起こるのは、オシッコと嘘のどちらとも脳の抑制機能に関わる行動だから。抑制機能は衝動をコントロールする機能で、誰もが生まれつき脳に備わっております。当然ながら、オシッコを我慢するには「漏らしたい!」という衝動をコントロールしなけりゃいかんわけです。
同じように、上手に嘘をつくには衝動のコントロールが必須で、「本当のことを話したい!」や「ビクビクした態度を抑えねば!」など、一度にさまざまな衝動と戦わねばなりません。研究者いわく、
嘘をつくには、大量の情報をやりくりする必要がある。無関係な思考を抑制したり、自分と相手の反応を見ながら真実味のあるストーリーを考えたりと、膨大な精神的能力を使うのだ。
とのこと。 上手い嘘をつくためには、とにかく脳の抑制機能を酷使する必要があるんだ、と。
ところが、オシッコを我慢した状態では、すでに脳の抑制機能は活性化ずみなわけです。そのため、オシッコを我慢しながら嘘をつくと活性化した脳をスムーズに使うことができ、結果として相手にバレにくくなるんですな。俗に「抑制機能流出効果」と呼ばれる現象であります。
以上の話をまとめると、
- オシッコを我慢する
- 脳の抑制機能が活性化
- オシッコを我慢しながら嘘をつく
- オシッコで活性化した脳のおこぼれにあずかれる
- 嘘が上手くなる!
といった流れになっております。そう考えると、
- オシッコを我慢しつつ買い物サイトを見て衝動買いを防ぐ
- オシッコを我慢しつつ勉強して気がそれるのを防ぐ
- オシッコを我慢しつつ嫌いな相手に会い、怒りがわくのをこらえる
みたいな応用も可能なのかも。もちろん、あまりに尿意が強すぎた場合は、脳の抑制機能がオシッコの我慢だけに使われちゃって逆効果だとは思いますが。
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