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良いアイデアが欲しい!ならば歩け!歩け!歩け!という実験



ウォーキングはすごい!って話はつねづね書いてまして、


みたいなエントリをアップしてまいりました。とにかく歩けば健康になるし、メンタルも健全になるし、頭も良くなるという素晴らしさなんですよね。こりゃ毎日歩かない理由がないと申しますか。


で、近ごろチェックした論文(R)は、「歩けば良いアイデアも思いつくんだぜ!」って内容になってて良かったです。アリストテレスとかディケンズとかソローとか、散歩で創造性を高めた偉人は多いですが、それが実験でも確認されたわけですな。


これはスタンフォード大学の研究で、まずは40人の男女に3つの”お題”を告げたんですね。

  1. 破られた金庫
  2. 燃え尽きた電球
  3. 繭から羽化する

そのうえで、「これらのお題から連想されるワードをできるだけ大量に考えてください」と考えて、どれぐらいユニークな答えが出せるかを確かめたんですな。大喜利みたいなもんですね。


で、その際に全体を4つのグループに分けております。

  1. 室内で座りながら考える
  2. 外で座りながら考える
  3. 室内で歩きながら考える
  4. 外で歩きながら考える

その後、すべての回答のオリジナリティと数をチェックしたところ、思いついたワードの数にはこんな違いが出ました。


  1. 室内で座りながら考えた場合=3.5
  2. 外で座りながら考えた場合=5.3
  3. 室内で歩きながら考えた場合=4.9
  4. 外で歩きながら考えた場合=9.3

ってことで、外を歩きながら考えたグループの圧勝であります。さらに、この実験では各返答のクリエイテビティも調べてまして、やはり外を歩いて考えたグループがもっともユニークなアイデアを思いついたそうな。つまり、外を歩きながら考えると、質と量の両方を満たした発想ができるんだ、と。うーん、すばらしい。


でもって、この研究ではさらに別の実験もやってまして、40人の学生に「外で歩きながら考えてください」と指示したあとで、全体を2つのグループに分けております。

  1. 「レンガの新しい使い道」をいろいろ考える(←創造性をチェックしている)
  2. あるなしクイズ」の答えをいろいろ考える(←問題の解決力をチェックしている)

すると、こちらの実験は以下のような結果になりました。

  • 歩きながら考えると、創造性が必要なタスクの得点が上がる
  • 歩きながら考えると、問題解決力が必要なタスクの得点は(ちょっとだけ)下がる!

どうやらウォーキングは拡散思考をアップしてくれるものの、収束思考をあげるには向いてないみたいっすね。


そんなわけで、以上の話をまとめると、

  • 新しいアイデアが欲しいときは外を歩きながら考えよう!

ってことになりましょう。私も「企画を出せ!」と言われたら散歩に行くかな……。

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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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