「レジリエンス」を鍛えたきゃ、まずは1日30分のウォーキングからどうぞ
運動がストレス解消に効くのはいまや常識。アメリカ心理学会も、エクササイズを「ガチで効くストレス解消法」の筆頭に上げております。
1日30分のウォーキングを週2回やればレジリエンスは高まる
で、近ごろ出た論文(1)によれば、運動はストレスを解消してくれるだけでなく、未来のストレスに強い脳も作ってくれるんだそうな。流行りの言葉でいえば、レジリエンスを高めてくれるわけですね。
これはカールスルーエ工科大学の実験で、まずは60名の学生を以下の2グループにわけたんですね。
- 1回30〜60分のウォーキングを週2回やる
- なにもやらない
そして5ヵ月後、学校の期末テストの時期になったところで、全員に「心拍変動」を計るモニタを装着。テスト期間中のストレス反応を、36時間にわたって記録したんそうな。
心拍変動は心拍数のゆらぎを表わす数値で、近ごろはストレスの指標として使われております。くわしくは「ストレスに勝ちたきゃ心拍変動を鍛えるべし!みたいな話」をご覧ください。
運動のストレスがメンタルを強くする
さて、実験の結果はどうなったかというと、
- エクササイズをしたグループは、テスト中も心拍変動が高いままだった(=レジリエンスが高まった)
- 実際の主観的なストレスレベルも低く、テストの成績も高くなった
とのこと。たった週2の軽いエクササイズでも、本番に強いメンタルは育てられるみたいですね。
研究者いわく、
エクササイズは心疾患のリスクを減らすのに、とても効果的だ。エクササイズを行うと、コレステロールや血圧が下がり、体重も減る。
しかし、それらのメリットを合わせても、エクササイズが心疾患に効く理由の59%しか説明できない。残りの41%は、エクササイズがストレス反応を改善してくれるからかもしれない。
とのこと。エクササイズによって自律神経が鍛えられ、そのおかげで精神的なストレスに過剰反応しない脳ができあがるみたい。あえて運動で脳にストレスを与えることで、メンタルのストレスにも強くなるわけですね。
そんなわけで、レジリエンスを鍛えたければ、まずは1日30分のウォーキングから初めてみると吉。週2の運動でもいいってのは、かなり敷居が低くて手をつけやすいんじゃないでしょうか。