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置き換えダイエットなら苦しまずに痩せられる!(かもだ)という実験の話

 

「置き換えダイエットなら苦しまずに痩せられる!」って研究がおもしろかったんでメモ。



これはコーネル大学の実験(R)で、17人の男女が体調。全体のBMIは21.1前後だったそうなんで、みんな平均的な体重ですね。


で、実験では食事のパターンを2つに分けております。

  1. 昼食だけミールリプレイスメントを食べる
  2. つねに好きなだけ食べる

ミールリプレイスメントはあんま聞いたことがないかもですが、日本でいう「置き換えダイエット」に近くて、1日の食事のうち1食だけをダイエットフードにしてみよう!っていう手法です。


アメリカではいろんな種類の商品が出てまして、この実験では、

  • Chef Boyardee Pasta
  • Smucker's Uncrustables
  • Kashi Bar

などを使った模様。これらの商品のカロリーは平均で1食200kcalで、7.2gのタンパク質、26.4gの糖質、6.9gの脂肪で構成されております。


また、この実験はクロス−オーバー形式になっていて、17人の参加者が「好きなだけ食べる週」と「昼だけ置き換える週」の両方を交互にくり返したみたい。すべての食事はラボで提供され、みんながどれぐらい食べたかはキッチリ計測されております。ここらへんはナイスなポイントですねー。


で、結果は以下のグラフのようになりました。灰色のバーが「好きなように食べた場合」の1食分の摂取カロリーで、白いバーが「置き換えダイエットをした場合」の摂取カロリーです。



ごらんのとおり、昼食のみ「置き換え」の摂取カロリーが250kcal前後に落ち着いていて、それ以外の食事はほとんどなにも違いが出ておりません。つまり、この結果のポイントは、

  • 昼飯をいつもよりグンと軽めにしても、その後の食欲には影響が出ない!

ってことですね。1日のカロリーで見てみると、普通に食事をした日の平均は2,057kcalだったのが、置き換えをした日は1日1,812kcalまで低下したことになります。


当然ながら、2週間ほど置き換えを行った被験者は一様に400gほど体重が落ちていて、とくに食欲に苦しまずに、これだけ自然とカロリーが減らせるってのはちょっとよろしいですねー。研究チームいわく、

一食のカロリー摂取を少し減らすだけでも、体重の増加を予防することはできる。そのひとつの方法として、ランチの量を週に2〜3回ほどコントロールしてみるのも手だろう。

とのこと。そもそも多くの人は、習慣的に「昼飯はこれぐらいの量を食べるもんだ」と思い込んでいるだけなんで、いざ1食分のボリュームが少なくなっても、実は食欲には影響は出ないみたい。まぁ普通に食べてれば、そんなに栄養が足りなくなるわけがないですもんね。

この実験からわかるのは、人体が正確に摂取カロリーを把握しているわけではない、ということだ。今回のテクニックを使えば、理論的には1年で11kgの減量につながるかもしれない。


昔からダイエットの世界では「小さな皿に盛り付ければ自然と摂取カロリーが減る」みたいな心理テクニックがありますが、置き換えダイエットにはほぼこれと同じような働きがありそうっすね。「少しずつの減量でいいから苦しまずに痩せたい!」って方は試してみてもいいんじゃないでしょうか。

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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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