加工食品が食べ過ぎにつながるのは常識ですが、具体的にどれぐらい食べ過ぎちゃうのかを見てみましょう
「加工食品が食欲をブーストさせる!」ってのが、「パレオダイエットの教科書」の大きなポイントのひとつなわけです。加工食品は脳への刺激が強いんで、どうしても食べ過ぎに走っちゃうんですよね。
そうなると、具体的に「加工食品はどれぐらい食べ過ぎにつながるの?」ってとこが気になるわけですが、そこらへんを調べた良い論文(R)が出ておりました。
これはNIDDKによる実験で、BMIが27前後の男女20人が対象。研究のために病棟を貸し切りまして、28日にわたって完全監視の状態に置いたそうな。サンプル数は少ないながらもなかなか徹底的な実験デザインでよろしいのではないでしょうか。
で、すべての被験者には、それぞれ以下の食事をランダムに割り振っております。
- 2週間だけ加工食品を食べまくる暮らしをして、続く2週間は加工食品少なめの暮らしを送る
- 2週間だけ加工食品少なめの暮らしをして、続く2週間は加工食品だらけの暮らしを送る
この時、全員には「食事の量は好きなだけ食べていいですよー」と指示しまして、それぞれの参加者がどれぐらいで満腹になるかをチェックしたそうな。
では、具体的に食事の内容がどんな感じだったかと言いますと、
- 加工食品だらけの食事=炭酸飲料水、甘いお菓子、スナック菓子、ホットドッグ、冷凍食品、朝食用シリアル、エナジーバーなど
- 加工食品少なめの食事=新鮮な野菜とフルーツ、全粒粉のパスタ、魚、鶏肉、卵、乳製品、コーヒー、水など
みたいになってます。ほぼ典型的なアメリカンな食事と地中海式ダイエットの戦いみたいになってますね。
ちなみに、どちらの食事も三大栄養素のバランス、食物繊維の摂取量、塩分量などは同じになるように設定したとのこと。基本的には「味覚に与える刺激量によって、どれぐらい食欲に差が出るのか?」ってポイントを調べた感じですね。
さて、まずはもっとも大きな結果を引用すると、
- 加工食品だらけの食事をした日は、みんな平均で500kcalほどよぶんにカロリーを取っていた!
だったそうです。加工食品が少ない日はみんな平均で1日2600kcal前後の摂取量だったのが、加工食品を食べまくった日はだいたい1日3100kcal前後になったらしい。
1日500kcalも差がつけば、当然ながら体型にも大きな差が出まして、
- 加工食品だらけの食事をした場合=14日で0.4kgほど体脂肪が増えた
- 加工食品少なめの食事をした場合=14日で0.3kgほど体脂肪が減った
といった違いが確認されたりします。14日でこの違いですから、このまま続けば1ヶ月でも結構な差になるでしょうな。
加工食品が500kcalも余計なカロリーを取らせる理由は簡単で、当ブログではおなじみのカロリー密度が低いからです。加工食品は1カロリーあたりのタンパク質と食物繊維が少ないんで、ガツガツ食べられるわりには満足感が低いんですよね。
ってことで、当ブログをお読みの方にはいまさらな結論ではありますが、「加工食品を口にすると1日い500kcalも余計に食べてしまう!」と頭に入れておくだけでも自制が効きやすくなるのではないかと思う次第です。どうぞよしなに。