人生の幸福に欠かせない「夢をあきらめるスキル」をチェックする10問
ちょい前にパレオチャンネルで「「夢をあきらめる」科学的な方法」ってのを書いたんですよ。簡単に言うと、
- 夢を追う能力も大事だが、夢を適切にあきらめる能力も超大事だ!
みたいな話です。世間では「夢を追う!」や「目標に向かってコツコツやる!」ってのが持ち上げられがちで、もちろんこれは正しいんですけど、いっぽうでは無茶な夢にこだわりすぎて人生をムダにしちゃうケースが多いのも確かでしょう。ムズい資格試験の勉強に何年も費やして一向に合格しない、みたいなパターンですね。
で、この「夢をあきらめる能力」は俗に「目標調整能力」と呼ばれてまして、
- 目標の離脱:決めた夢からどれだけ柔軟に離れられるか
- 目標の再設定:夢をあきらめたあとでどれだけ柔軟に新しい目標を決められるか
といったスキルで構成されています。事実、このスキルの重要性は2020年のメタ分析(R)でも示されてまして、過去に行われた研究から31件をまとめたところ、目標調整能力が高い人ほど人生の質が高かったり、抑うつ状態になりにくかったり、ポジティブに人生を過ごせてたりといった傾向が見られたんだそうな。
まぁ普通に考えれば、「どう考えても見込みがない夢」にこだわってたらストレスが増すばかりなんで、適当なところであきらめて違う夢に切り替える能力が欠かせないのは当然かもしれません。もちろん、これは「夢なんて追うな!」って話じゃなくて、「夢を追う態度と、現実的に無理だと思ったらあきらめて次に行く態度のバランスが大事だよー」って話なのでお間違いなきよう。
で、この「正しく夢をあきらめる方法」についてはパレオチャンネルをご参照いただければ幸いですが、ここではその補足として、「自分の目標調整能力はどんなもんか?」を測るテストを見てみましょう。
これはコンコルディア大学などのチームによる研究(R)がベースで、主筆のカーステン・ヴロッシュ博士は、目標調整能を20年にわたって調べ続けている第一人者のひとりであります。テストの使い方は簡単で、まずは以下の10問について、完全に賛成できる(1点)〜まったく賛成できない(5点)の要領で点数をつけてみてくださいませ。
- 目標に向かうための努力を減らすのは簡単なことだ
- 目標を達成するために努力を止めることは難しいと思います★
- 私は目標に長い間コミットし続け、それを手放すことができない★
- 目標について考えるのをやめて、手放すのは簡単だ
- 他の新しい目標について考えることが多い
- 他の意味のある目標を探すことが多い
- 「追求すべき有意義な目標は他にもある」と自分に言い聞かせている
- 「自分には他の新しい目標がいくつもある」と自分に言い聞かせている
- 他の新しい目標にも取り組み始めている
- 他の意味のある目標に向かって努力することができる
でもって、★マークがついたものは点数を逆にしたうえで(1点→5点、2点→4点、4点→2点、5点→1点)、
- 目標の離脱=質問1〜4を足して平均を出す
- 目標の再設定=質問5〜10を足して平均を出す
みたいになります。質問1〜4の平均値が高い人は「夢をあきらめるのがうまい」し、質問5〜10の平均値が高い人は「新しい夢に情熱を見つけるのがうまい」ってことっすね。
このテストに明確な判断基準があるわけじゃないんですけど、一般的な平均値は以下ぐらいにお考えいただければ幸いです。
- 目標の離脱: 2.69
- 目標の再設定:3.60
とりあえず、この数値を上回っていれば、夢をあきらめるスキルは高いかも?ぐらいに申せましょう。いずれにせよ、不可能な夢にこだわりすぎると、いろんなものを犠牲にしかねませんので、たまには目標調整能力に目をやってみるのもいいかもしれませんな。