8週間で実年齢よりも肉体が5歳若返る「メチル化サポート食」とは?
「メチル化サポート食で5年若返る!」ってデータ(R)が出ておりました。
メチル化ってのは、細胞内のDNAの化学的な変化のこと。DNAメチル化のレベルは、年齢とともに全身で変化する傾向がありまして、そのおかげで近年は「DNAメチル化量を測定すれば、肉体の若さを予測できるのでは?」と考えられているんですよ。
このアイデアをもとに、2013年にカリフォルニア大学のスティーブ・ホーヴァス先生などが、肉体の老化を測定する「DNAmAge」って手法を開発してくれまして、これを使うと、実年齢(地球上で生きてきた年数)と生物学的年齢(肉体の老化)を測定できるっぽいんですな。事実、DNAmAgeは、「女性の肺がんの発生率」や「老化スピード」などとよく相関してまして、かなり使える手法じゃないかと思っております。
で、「メチル化サポート食」ってのは、名前のとおり、DNAのメチル化を改善するために開発された食事法のことです。DNAメチル化をサポートする栄養素をたっぷり食べて、肉体年齢を改善しようぜ!って考え方ですな。
これは46 歳から65歳の女性6名を対象にした試験で、研究チームが考案した「メチル化サポート食」を実践してもらい、8週間後にDNAmAgeでみんなの肉体年齢をチェックしたらしい。「メチル化サポート」というと複雑そうな気もしますが、実際に使われた食事法は「地中海式」や「パレオダイエット」に近くて、だいたい以下のような内容になってます。
メチル化サポート食の具体例
- 1週間のあいだに食べるもの
- レバー3食分(85g。できればオーガニック)
- 卵5~10個(ケージフリー、オーガニック、オメガ3強化)
- 毎日食べるもの
- 濃い葉物野菜2カップ分(ケール、スイスチャード、コラード、ホウレンソウ、タンポポ、マスタードグリーン)
- アブラナ科の野菜2カップ分(ブロッコリー、キャベツ、カリフラワー、芽キャベツ、白菜、ルッコラ、ケール、からし菜、クレソン、ルタバガ、ラディッシュ、フダンソウ、カブ)
- その他、カラフルな野菜3カップ分
- ビーツ(中)1~2個
- かぼちゃの種 大さじ4
- ひまわりの種 大さじ4
- メチル化アダプトゲン1食分以上(ベリー、ローズマリー、ターメリック、ガーリック、緑茶、ウーロン茶)
- 動物性タンパク質170g(グラスフェッド、オーガニック、ホルモン/抗生物質不使用)
- 低糖質のフルーツ2食分
- メチル化サポート食の注意点
- 従来の食品よりオーガニックを優先する
- 水分補給(1日にコップ8杯以上の水を摂取する)
- 午後7時から午前7時の間は食事をしない
- 健康的なオイルを使う(ココナッツ、オリーブ、亜麻仁、パンプキンシード)
- 砂糖、キャンディー、乳製品、穀物、豆類を避ける
- プラスチック製の食品容器の使用を最小限にする
- 使用するサプリメント
- 有機野菜、果物、種子、ハーブ、植物酵素、プロバイオティクス/プレバイオティクスをふくむグリーンパウダーを1日2回
- ラクトバチルス・プランタラムのプロバイオティクスを 1日2カプセル
- エクササイズ
- 1日30分以上、週5日以上、RPEの60%~80%の強度で行う。
- 睡眠の注意点
- 1日平均7時間以上の睡眠をとる
- ストレスマネジメントの注意点
- リラックス反応を引き出すために、1回10分の深呼吸トレーニングを1日2回行う。
ということで、「メチル化サポート食」といっても特別なものではなく、一般的な健康食にいくつかのサプリを加えたようなイメージでしょうか。栄養価の高い野菜や低グリセミックの果物を中心に、砂糖、乳製品、穀物、豆類はひかえるって感じで、ほぼパレオダイエットですもんね。
そのため、ここで使われた食事法は、個人的にも「賛成できる!」って印象でして、「メチル化サポート食」を試してみたい方は、プロバイオティクスには「ジャロードフィルス・ガットカーム」を、グリーンパウダーには「カントリーファームのスーパーグリーン」などをお使いいただくといいでしょう。
ちなみに、この研究では、試験が終わったあとでみんなの生物学的年齢を計測したところ、
- 平均で55.8歳から51.2歳に若返った!
- 6名中5名が生物学的な年齢が短かくなり、その数値は最小で1.2歳、最大で11歳、平均で4.6歳だった。
みたいな感じだったそうです。言うまでもありませんが、これはめっちゃ小規模な試験だし、実験の前に参加者がどれぐらい運動をしていたのかなどを報告していないので、すでに良い食事をしている人でも同じ改善を得られるかは謎だったりします。そこはご注意ください。
とはいえ、もっと前に行われた研究では、50歳から72歳の男性43人に似たような食事を指導したところ、何もしなかったグループと比べて生物学的年齢が3.2歳低下したとも報告されてたりします。これらの研究は、いずれも老化が進むような病気を持つ人ではないので、普通に健康的な人でも生物学的年齢を「逆転」できるのかもなーとは思うわけですが。