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ミスしたら笑え! 恥ずかしがる人ほど損をするぞ! という研究の話

 

皆さんは、やらかした時にどんな反応をするでしょうか? たとえば、人前でコケたり、名前を間違えたり、場違いなことを言ってしまったりといった場面で、どのように振る舞っているかってことですな。

 

ここでどんな反応をするかは、人によって大きく異なりまして、ある人はとりあえずごまかすかもしれないし、また別の人は顔を赤くしてやり過ごすかもしれないし、恥ずかしさを隠して平常心を装う人もいるでしょう。こういうときにどう振る舞うのがベストなのか?ってのは、なかなか難しい問題であります。

 

そこで、新たに出た研究(R)では、「失敗したときにはどう振る舞うのがいいのか?」って問題を検証していて面白かったです。

 

これはオランダの大学などの研究で、合計3200人以上を対象に6つの実験をやっております。ざっくりどんな実験だったかと言いますと、まずは参加者に「恥ずかしい失敗をしたところ」を想像してもらったんですよ。たとえば、

 

  • 人前で転ぶ
  • ズボンのチャックが開いていた
  • 体臭に気づく
  • いびきをかく
  • 誕生日を忘れる
  • 妊娠してない人に「いつ生まれるの?」と聞く

 

みたいな感じになってまして、日常でもよく見かけるようなラインナップになっております。

 

その上で、それぞれの失敗について、

 

  • 恥ずかしそうにするパターン
  • 自分で笑うパターン

 

で効果を比べたところ、結果はこんな感じになりました。

 

  • 軽度のミスをしたあとは、「笑う人」のほうが、温かく・有能で・誠実に見られた

 

とにかく、なんらかのミスをしたときは笑いまくったほうが、印象が激しくアップするんだ、と。まぁミスした相手がモジモジしてたらこっちも気まずくなるんで、軽く笑い飛ばしてくれたほうが接しやすいのは間違いないですな。

 

このような現象が起きる理由について、研究チームは「感情の適合性」って概念を引き合いに出してまして、これは、

 

  • 自分のリアクションが、その出来事に合っているかどうか

 

って状態を意味しております。たとえば、

 

  • 軽いミスなのに過剰に落ち込むと、他者からは不自然に感じられて印象が悪くなる

  • 軽いミスを軽く笑うと、他者からは自然に感じられて印象が良くなる

 

って感じですね。このように「いかにその場のノリに適した振る舞いができるか?」が、他人からの評価を大きく左右するって話なわけですな。とにかく「自然さ」が大事。

 

さらに、データを見てると「自分を笑える人」にはこんなメリットも確認されております。

 

  1. 「この人は余裕がある」と思われる:ミスを笑いに変えられる人は、「私は自分を受容できている!」というサインになり、これが相手には余裕として伝わる。

  2. 周囲の緊張を一気に下げる:たいていの人間は「今は笑っていい空気かどうか?」ってのを常に探っているため、本人が笑うことで、周囲も安心して笑えるようになる。

  3. 親しみやすさがアップする:完璧な人より、ちょっと抜けてる人のほうが好かれるのは有名な話(いわゆるプラットフォール効果)。なので、笑い飛ばすほうが「この人は安心できる人だ」って印象になる。

 

なかでも重要なのは3つめで、普通は「恥ずかしいこと=隠したい」ものですが、過去の研究に照らしてみても「軽い失敗をオープンにするほど、人間関係はむしろ強化される」という傾向が認められているんですよ。私たちは、弱みを見せる人にほど信頼感を抱き、完璧じゃない人にほど親近感が湧く生き物なんですな。おそらく皆さまも「ちょっとした失敗談をサラッと話せる人」になんとなく良い印象を抱いたことがあるんじゃないでしょうか。

 

となると、この知見を現実に活かす方法は簡単で、

 

  • 軽いミスをした!→すぐに認める→軽く笑いに変える→長引かせない


ってガイドラインを守っておけばいいでしょう。ヤバいと思ったら「やらかした(笑)」ぐらいの反応で、ダラダラと引きずらなければOK。恥ずかしいことがあったら、とりあえず笑い飛ばしとくのが吉であります(不自然にならないレベルで)。

 

ただし、これは当たり前なんだけど、ここで「笑い飛ばしていいライン」を守るのがめっちゃ大事になるんで、そこは注意しときましょう。今回の研究を見てみると、

 

  • 笑ってOKなケース:自分だけが恥をかいた時、または誰も傷ついていない時
  • 笑うのがNGなケース:他人に迷惑や損害を与えた時、または誰かに不快感を与えた時

 

ってのは明確に出ております。まぁ誰かに迷惑をかけたのに笑ったら、そりゃヤバいですもんね。もし「これは笑い飛ばしていいのか?」と判断に困ったなら、「いま誰か困ってる?」ってとこをチェックしてみて、少しでも迷惑があるならまず謝罪しとくといいでしょう。

 

というわけで、今回の話をまとめると、

 

  • 軽いミスは「笑い」で処理したほうが評価は上がる

  • 笑いは「自分を受け入れているサイン」になる
  • ただし他人に被害がある場合は絶対にNG

 

って感じです。「失敗しない人間」になるのは無理ゲーなので、とにかく「失敗の処理がうまい人」になるのを目指すほうが現実的でいいっすね。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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