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筋トレ効果を最大化するプロテインはどれ?最新メタ解析が出した意外な答えとは?

 

筋トレといえばプロテインってのはもはや当たり前の事実ですが、そこでまだよくわかっていないのが、

 

  • 結局どのプロテインが一番効くの?

 

という問題であります。世の中には「ホエイが最強!」「いやソイのほうが健康的!」みたいな話がいろいろ出回っているんだけど、実際の研究を見ていくと、この手の話はデータごとに結論がバラバラだったりして、なかなかまとまった判断を出すのが難しいんですよね。

 

そんな中、新たに参考になりそうな研究(R)が出てましたんで、中身をチェックしておきましょう。これはブラジルのチームによる研究で、「どのプロテインが効くのか?」をまとめて検証したナイスな調査になっております。

 

研究のポイントは「ネットワークメタ解析」という手法を使ってるところで、これがどのようなものかと言いますと、

 

  • 複数のランダム化比較試験(RCT)をまとめる

  • ついでに、間接的な比較も含める

  • その上で、どれが最も効果的なのかをランキングする

 

という、わりと強力な分析方法です。間接的な比較ってのは、「AとB」「BとC」は比べているけど「AとC」は直に比べていない場合でも、Bを通してAとCの優劣を推定してみる手法のこと。そのため、個別の研究では見えなかった全体像まで俯瞰できるようになり、より精度の高い結論を得られるわけです。

 

また、今回の研究は健康な成人のみを対象にしていて、筋トレでプロテインのサプリを使った場合に、筋力と筋肉量がどう変わるかをチェックしております。データ量としては、最終的に78件の研究(約2400人以上)を統合してまして、かなり信頼できそうな雰囲気が漂っているんじゃないでしょうか。

 

では、結論を見てみましょう。この分析によると、筋トレ効果を高めてくれるタンパク源は、主に以下の2つでした。

 

  • コラーゲン
  • ホエイプロテイン

 

ということで、ホエイプロテインについては「そうだろうなぁ」ってところですが、コラーゲンが選ばれたのに驚いた方もいるんじゃないでしょうか。コラーゲンといえば美容系のイメージが強いですからね。

 

しかし、実際にデータを見てみると、コラーゲンはなかなか侮れない効果を持っているようでして、

 

  • 筋力アップ効果はコラーゲンがトップだった
  • 筋力(1RM)への影響を見てみると、コラーゲンの効果が最も高く、ホエイは「有意な効果あり」ぐらいの数字でコラーゲンにはやや劣っていた

 

という結果だったんですな。さらに、効果的なタンパク源のランキング(SUCRA)を見てると、

 

  • コラーゲン:88%

  • ホエイ:約64%

  • その他(カゼイン・ミルクなど):かなり低め

 

といった具合で、コラーゲンが頭ひとつ抜けていたというから驚きであります。正直、私もコラーゲンを甘く見ておりました。

 

さらに、「筋肉の増え方」についても結果は同じような感じでして、以下のような報告になっておりました。

 

  • コラーゲンが圧倒的トップで筋肉が増えやすい(SUCRA 約99%)

  • ホエイは、しっかり有意差あり

  • その他はやや弱い

 

他の多くのプロテイン(大豆、米、魚など)と比べてもコラーゲンは明確に優れていたとのことで、こりゃあすごいもんですな。

 

となると、「同じタンパク質なのに、なんで効果に差が出るの?」って疑問がわいてきますけども、研究では主に以下の要因が考えられております。

 

  • アミノ酸組成の違い:ロイシンのような筋タンパク合成に必要なアミノ酸は、タンパク源ごとに含有量が違う。そのため、筋肥大への影響に差が出る。


  • 吸収スピードの違い:ホエイは吸収が速く血中アミノ酸濃度を急上昇させる一方で、カゼインはゆっくり吸収されるなど、利用効率に差がある。
  • 食品マトリクス効果の違い:タンパク質単体ではなく、食品全体の構造や他の栄養素との組み合わせによって、消化・吸収や代謝のされ方が変わる。

 

これらの点で、特にコラーゲンの場合は、

 

  • グリシンやプロリンといったアミノ酸が豊富だからかも?
  • そのため、結合組織(腱・靭帯)への影響が大きいのかも?

 

といったあたりがよく言われてまして、「純粋な筋肥大」とは違う経路で効いている可能性もあるのかもしれません。なので、高重量トレーニングで関節を酷使するような人ほど、コラーゲンの恩恵を受けやすい可能性がありますな。

 

ということで、今回のデータを見る限り「じゃあコラーゲン飲めばOKなのでは?」って気もしてくるんですけども、個人的にはもうちょい様子を見たいなーって感じです。というのも、今回の研究にもいくつかの限界がありまして、

 

  • 研究数が少ないサプリがそこそこある
  • 間接比較が多くてはっきり優劣が言いづらい(ネットワークメタ解析の宿命ですが)
  • 長期的な研究はないので、長く使った時の影響はまだ不明

 

といった問題があるんですよね。なので、「コラーゲンさえ飲めばOK!」みたいに極端な解釈はいまんとこNGであります。

 

なので、これらの限界を踏まえて、現実的な使い方をまとめてみる、とこんな感じになるでしょう。

 

  1. 基本はホエイでOK:ホエイプロテインは吸収が早いし、なによりも研究データの蓄積が段違いだし、手軽に手に入りやすいんで(近ごろ価格が上がってはきたものの)、まずはこれをベースにしておくのが無難でしょう。

  2. ついでにコラーゲンを検討する:コラーゲンは関節や腱のサポートも期待できるし、筋力向上の効果では最強の可能性があるので、高重量トレーニングをする人や関節に不安がある人は、追加でコラーゲンを飲んでみるのもあり。

  3. 結局は総タンパク量を最優先する:タンパク源の種類も大事なんだけど、結局は「体重×1.6〜2.2g/日」ぐらいの摂取ができていなければ、タンパク質の種類を気にしても無意味になっちゃうので注意してくださいませ。

 

ってことで、今回のポイントをまとめると、

 

  • タンパク質の種類によって筋トレ効果は変わる

  • コラーゲンとホエイがトップ2だが、とりあえずデータ数が多いホエイを選ぶのが無難。コラーゲンはオプションとしてあり

 

といったところです。筋トレの効率を少しでも上げたい方は、ホエイをベースにしつつ、必要に応じてコラーゲンを追加するぐらいの戦略で試してみると良いんじゃないでしょうか。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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