医学的に正しいサイコパス映画4選
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映画に登場するサイコパスについて科学的に検証した「サイコパスと映画」って論文が面白かったのでメモ。
参考:Psychopathy and the Cinema: Fact or Fiction?
1915〜2010年の間に公開された映画から、126人のサイコパス的なキャラを厳選。臨床心理的に正しいかどうかを検証した風変わりな研究であります。その結果、もっとも医学的に正しいサイコパス映画に選ばれたのが、以下の4本です。
ノーカントリー
1位はコーエン兄弟の「ノーカントリー」に登場するアントン・シガー。論文では「もっとも正しいサイコパスだ」との評価を受けております。確かにこれは凄い映画だったなぁ。
シガーの子供時代の描写はないが、劇中の行動はサイコパスと診断するに十分だ。愛情を抱く能力を持たず、恥や後悔の感覚に欠け、過去の経験から学ぶことがなく、決断が素早い。何の感情の動きも見せず、およそ人間的な喜怒哀楽が見られない。これらの特徴は、
リチャード・ククリンスキィ
(有名な連続殺人鬼)に似た面が多い。
ヘンリー ある連続殺人鬼の記録
実在の連続殺人鬼ヘンリー・ルーカスの日常を描いた「ヘンリー」も高評価でした。ドキュメンタリータッチで淡々と人が死んでいくだけなので、嫌な気分になりたい人以外にはオススメできかねる作品ではあります。
本作の興味深いテーマは、サイコパスの不安定な混沌とした日常生活だ。すなわち、ヘンリーの考えなしな行動、極端な共感力の欠如、貧しい感情、無計画な行動である。
ラブリーボーン
「ラブリーボーン」は、14歳で殺された少女が天国から家族を見守る感動作……なんですが、殺人鬼ジョージ・ハーベイの描写がガチで怖くて後を引く一作。
ハーベイは、シガーやヘンリーよりも社会に適応したサイコパスだ。立派な一軒家に住み、周囲との社会生活も良好。どこにでもいる普通の男にしか見えない。しかし、その実態は倒錯した性犯罪者だ。
ウォール街
「社会的に成功したサイコパス」を描いた数少ない作品の1つとして評価されたのが、マイケル・ダグラスが血も涙もない投資家ゴードン・ゲッコーを演じた「ウォール街」。2007年の世界金融危機のあとから、「成功したサイコパス」に関する研究が盛り上がっているんだそうな。
「ウォール街」のゴードン・ゲッコーは、人心操作に長けたサイコパスの1人だ。 近年、フィクションの世界では、こうした他人を操るタイプのサイコパスを描くことが多い(マッドメンとか)。例えば、ゴードン・ゲッコーのような投資家、不正を働くトレーダー、悪徳弁護士、企業スパイなどだ。
まとめ
そんなわけで、医学的に正しいサイコパス映画4選でした。この中だと「ノーカントリー」が抜群のオススメで、世間的な評価が低い「ラブリーボーン」も個人的には好き。「ヘンリー」は人を選ぶので、後味が悪い映画が大丈夫な方のみご覧くださいませ。って、大晦日に書くような話でもないですが(笑)。
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