スタンフォード流「新年の目標」を達成するための4つの方法
以前に、リチャード・ワイズマンによる「新年の目標」を達成するための心理学的に正しい10のポイントを取り上げましたが、「決定力!」で有名なハース兄弟が配信しているニュースレターでも「新年の目標」をこなすための科学的な4つの方法が説明されてましたので、軽くご紹介。
1・ブライトスポットを探す
人間は根本的にネガティブな生き物なので、良い面よりも悪い面に目を向けてしまう傾向が強い。そのため、何かを変えようとするとき、私たちはつい「問題点はどこだ?修正すべき点はどこだ?」と考えちゃう。
しかしハース兄弟によれば、目標を達成するための正しい考え方は「上手くいく方法(ブライトスポット)は何だ?」というもの。具体的には以下の例が挙げられておりました。
ある学生は、極度の先延ばし癖に悩んでいた。「論文を1日6時間書く」と目標を決めたものの、たまにしか達成することができない。そこで彼は、自分の失敗を嘆くのを止めて、その代わりにブライトスポットを探すことにした。「ちゃんと論文を6時間書けたのは、どんなときだったろうか?」と考えてみたのだ。その結果、彼は「早起きした日は論文が書けている」という事実を発見。さっそく目覚まし時計を朝の5:30に設定したところ、先延ばし癖は魔法のように治った。
2・目標は1つにしぼる
過去15年の心理学研究で、人間の意思力には限界があることがわかってきた。買いたいものをガマンしたり、お菓子をひかえたり、怒りをこらえたりするたびに意思力はすり減っていき、やがてスッカラカンになっちゃうんですな。
言うまでもなく、目標の達成にはセルフコントロールの能力が必須。いたずらにたくさんの目標を決めてると貴重な意思力をムダに使ってしまうことになるので、あくまでゴールは1度に1つずつこなしていくようにしましょう。
3・目標を習慣に変える
習慣の力は超大事。いったん目標が習慣に変わってしまえば、貴重な意思力を消費せずに済んじゃう。夜の歯みがきや朝のコーヒーにセルフコントロールを使う人はいませんからねぇ。具体的には以下の例が挙げられておりました。
ロンドンに住むある男性は、ToDoリストの扱いに悩んでいた。「スマホに登録したリストを見ると、写真の整理や友人への電話、押入れの掃除、ネズミ捕りの購入なんてタスクが永遠に続くんです…」。そこで彼は、ToDoリストを日課に組み込むことにした。毎朝、確実に1つのタスクだけをこなすようにしたのだ。
4・「行動の引き金」を作る
エクササイズを目標にしたいときに、「晩ご飯を食べ終わったらジムに行こう」と計画を立てる方法。「もし◯◯をしたら、◯◯をしよう」といったふうに、「行動の引き金」になるものを決めておくわけですね。
単純なテクニックですが、その効果は数々の実験で折り紙つき。イギリスで行われた研究では、「行動の引き金」(朝のコーヒーを飲んだら運動するみたいな)を決めた老人は、2倍も目標を達成する確率が上がったそうな。以前に紹介した、「if-thenプランニング」と同じ手法ですな。
まとめ
そんなわけで、ハース兄弟による「『新年の目標』を達成するための科学的な4つの方法」でした。お気づきの方も多いでしょうが、これはハース兄弟の代表作「スイッチ! 」の簡潔なまとめになっております。さらに詳しく知りたい方は、ぜひ「スイッチ! 」をご参照くださいませー。