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学習効率を劇的にアップさせるには脳を緩和モードに切り替えよう!「A Mind For Numbers」

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「A Mind For Numbers」って本を読みました。神経科学の知見をもとに、効率よく数学や科学を学ぶ方法を書いた一冊ですが、基本的な考え方はあらゆる勉強に通じるものがあって参考になりました。

 



 

集中モードと緩和モード

本書の中心となるアイデアはシンプルで、最新の認知神経科学によれば、人間の脳には以下の2つのモードがあるんだ、と。

 

  • 集中モード:集中力が高まって、脳のエネルギーが一点集中した状態。脳の前頭前皮質がコントロールしている。
  • 緩和モード:脳がリラックスした状態。さまざまな脳のエリアがコントロールしている。

 

当然ながら、勉強には集中モードが欠かせないわけですが、実は効率のよい学習には緩和モードも必須なんだってのがポイントであります。このあたりは、以前に書いた「象を飼い慣らすための指針」における、象使い(集中モード)と象(緩和モード)の例えにも似ているなーと思うところです。

 

 

緩和モードが重要なのは、リラックス状態により脳の神経が配線しなおされて、何らかのヒラメキが生まれる確率が高くなるから。著者いわく、

 

集中モードに入っているとき、あなたの緩和モードへの接続をブロックしている。しかし、とても難しい問題や新しい問題を解くには、緩和モードの働きが必須だ。

 

とのこと。仕事ばっかりで遊ばなかったり睡眠不足が続いたりすれば、脳は緩和モードに入れなくなっちゃって、結局は逆効果になっちゃうわけですね。仕事の先延ばしが作業効率を激しく下げるのも同じ理由で、デッドラインが近づくほど脳が緩和モードに入らなくなっちゃうから。

 

再び著者いわく、

 

作業を先送りしているとき、あなたの脳は底の浅い集中モードに切り替わっている。

 

とのこと。効率のよい仕事には、集中と緩和のバランスが大事なわけですね。なんか桂枝雀さんのお笑い論みたいですが。

 

 

 

集中と緩和のバランスを取るには?

そんなわけで、集中と緩和のバランスを取るにはコツコツと作業を進めて脳を焦らせないのが最善なわけですが、なんでも認知神経科学的にはチャールズ・ディケンズの働き方が理想なんだそうな。

 

以前に紹介した「天才たちの日々のスケジュールが一目でわかるインフォグラフィック」によると、ディケンズは毎日9時〜14時まで働いて、その後で散歩に出るのが日課だったようで、ときに1日に40キロ以上も歩くことがあったとか。

 

ディケンズにとっては、散歩は文章を書く時間と同じぐらい重要なことでした。自分が学びたいことや、理解したいこと、書きたいことなどを考えない休止時間を持つと、無意識は自動的にさらに良く学べるように自動処理を行ってくれます。

 

といっても、現代人が 14時で仕事を切り上げるのは不可能でしょうから、その代替案として著者がオススメするのがポモドーロ法25分間だけ集中 →5分休憩 → また25分間集中 →5分休憩というサイクルをくり返すテクニックであります。著者いわく、

 

25分の間、メールの着信音のような作業とは無関係なジャマ者を完全に排除しましょう。この方法は、単純に効果があるだけでなく、意図して物事に集中する能力と、何も考えない能力を高める良いトレーニングになります。

 

とのこと。そういえば、当ブログで激しくオススメしているマインドフルネス瞑想も、集中力とリラックス力を同時に高める技法の1つですし、仏教界でもポモドーロ法に似たテクニックを採用してるみたいですし、やっぱ根本でいろいろとつながってくるんだなーと思った次第です。

 

ちなみに、ポモドーロ用のアプリとしては、PC用の「pomodairo」やらiPhone用の「PomoTeq Lite」やら山のようにあるんで、好きなデザインのものをお試しになってみるとよいかと思います。基本的にはどれもほぼ変わりません。

 

credit: classic_film via FindCC


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