4回レスしてダメならあきらめろ! コーネル大学流「相手を説得する科学的な方法」
https://yuchrszk.blogspot.com/2016/04/4.html
「他人を説得するための科学的な方法」について調べた論文(1)がおもしろかったんでメモ。
これはコーネル大学の研究で、reddit(アメリカの2ちゃんねるみたいなサイト)の議論や口ゲンカを集めまくって、2年分のデータを分析したんだそうな。redditはSNSと違って長文の書き込みが多いんで、心理の変化を分析しやすいんですな。
議論の内容はさまざまでして、「人間の才能は遺伝で決まるか否か!」とか「動物園って不道徳じゃない?」とか「民主党の支持者ってワガママじゃない?」とか、とにかく多岐にわたっております。
これらの書き込みを調べてわかったことは、
- 大勢で説得したほうが相手は意見を変えやすい:まぁ、これは当然でしょうね。
- 即レスのほうが相手を説得しやすい:書き込みに対するレスが速いほど、意見を変える人も増えていったらしい。
- 4回やり取りして説得できなければ、そこから相手が意見を変える見込みはない:データを見てると、4回までやり取りして議論に変化がなければ、それ以上の説得はムダになる可能性がかなり高いとのこと。
- 相手と違う言葉使いをしたほうが説得の成功率は高くなる:向こうが使う単語をそのままくり返すと、相手は意見を変えない傾向があったとか。相手の立場とは違う見方を示すと、自然に単語の選び方は変わってくるでしょうからね。
- 長い書き込みのほうが説得力は高くなる:短文でスパッと切るよりも、長文でじっくり攻めたほうがいいらしい。
- おだやかな言葉を使ったほうが説得力は増す:これも当然でしょうね。厳しい言葉で攻めたら相手のガードは固くなるんで。
- たとえ話を増やすほど相手の意見は変わりやすい:「たとえば」や「みたいな」といった言葉が多い文章のほうが説得力は高かった。たとえ話を使うときは、「あの時ジョブズは…」みたいに具体的な名前を出したほうがよいとのこと。
- ぼかした表現を使うほうが説得力は増す:「そういうこともあるかも」みたいに、少しボンヤリした言葉のほうが断定的に言い切るよりも良いらしい。確かに議論としては弱くなるんだけど、トーンが柔らかくなるので相手が受け入れやすくなるんだそうな。
- 極端な言葉を使う相手は説得しにくい:「最悪!」「最高!」「間違いなく」「誰でも」みたいな言葉を使う人は思考の柔軟性がないので、意見を変えにくいとのこと。これもわかるなぁ。
みたいな感じ。相手と議論を交わすときは、まずは優しい言葉使いで即レスしてみて、4回やり取りしてもダメだったらスッパリあきらめたほうがいいんだ、と。ネットの議論でメンタルをすり減らさないためにも、これは良いルールかもですな。