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ガチのマッチョを目指すか、それとも機能的な細マッチョを目指すか?

Th 5 

トレーニングの負荷と筋肉のサイズは関係ない 

マッチョの問題点」って論文(1)が面白かったんでメモ。

 

 

これは、過去に出た「筋肥大と筋力」に関する研究をまとめたレビュー論文で、超ざっくり言えば「ぶっとい腕の人って本当にそれだけのパワーがあるの?」って問題をあつかっております。腕が太ければ太いほど、大きなものを持ち上げられるの?ってことですな。

 

 

というわけで、本論のポイントを箇条書きにしていきますと、

 

  • 実際のところ、筋肉の太さと筋力はほぼ関係がない(まったく無いわけじゃない)。なぜなら、筋肉のサイズ増と筋力アップは別の現象だから
  • 筋トレをサボると筋肉のサイズは縮みやすいが、筋力はそのままキープされやすい。月イチの高負荷トレーニングだけでも、筋力は保持されるらしい
  • 筋肉のサイズが太くならないのに、筋力がアップしているケースも少なくない
  • 筋トレの負荷の強さと筋肉の太さは関係ない
  • 筋トレの負荷が増えれば、筋力は間違いなくアップする

 

みたいな感じ。どんだけ筋肉がデカくなろうが、本当に筋力があるとは限らないんだ、と。確かにジムなどに行くと、ゴリマッチョじゃないのに軽く100キロのベンチプレスを上げてる人も見かけますからねぇ。

 



 

筋肉量アップと筋力アップの違いとは?

こういった現象が起きるのは、

 

  • 筋肉を太くしたい場合=どんな軽い負荷でもいいから、とにかく筋肉を疲れさせて刺激を与えればOK
  • 筋力をつけたい場合=とにかく負荷の高いトレーニングをして、1RM(1回で持ち上げられる最大の重さ)をアップさせなきゃなんない

 

っていう成長の違いがあるから。なんせ筋力ってのは神経系の慣れなんかも関係しますんで、わりと複雑な現象なんですよね。

 

 

筋肉量?筋力?目標ごとのトレーニングのわけかた

研究者いわく、

 

低負荷の筋トレ(最大筋力の20〜30%ぐらい)と、高負荷の筋トレ(最大筋力の70%以上)について考えてみよう。

 

どちらの方法を使おうが、2〜3セットずつ行って筋肉を追い込めば、同じように筋肉のサイズは太くなる。ただし、筋力の発達は違ってくるのだ。

 

たとえば、ずっと低負荷の筋トレしかしていない人がいたとしよう。その人に筋力テストを行った場合は、間違いなく高負荷のトレーニングをしてきた人に負けるはずだ。

 

 とのこと。つまり、この話を実践に活かすならば、

 

  • とりあえずカラダをデカくしたい場合:そこまで1RMにこだわらずに、軽い負荷で筋トレのボリュームを増やすことを考えるほうがよさげ。かのアーノルド・シュワルツェネッガーも、軽負荷の筋トレを重視してたと言いますしね。

 

  • 機能的な細マッチョを目指す場合:強度の高い筋トレをメインに行うのが正解っぽい。その場合はトレーニングのボリュームは増やせないんで、HIT(高強度の短時間トレーニング)みたいなテクニックを使うといいんでしょうね。

 

って感じですかね。私の場合は、そこまでサイズを太くしたくないんで、高負荷トレーニングを基本にしております

 


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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