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不安をコントロールしたけりゃ「暗算」だ!みたいな話

Math 1547

 

 ネガティブな感情のコントロールに暗算が効く?

 「ネガティブな感情を超簡単なトレーニングでコントロールできるかも!」って論文(1)が、かなり使い勝手がよさそうでした。

 

 

これはデューク大学の実験で、186人の学生を対象にしたもの。まずは全員のメンタルヘルスのレベルをチェックしたうえで、みんなに頭の中で暗算してもらいつつ、脳の背外側前頭前野をfMRIでスキャンしたんですな。



脳内の感情のコントロールと計算の機能は同じ

背外側前頭前野ってのは、昔から「鬱とか不安に関係してるんじゃない?」と言われてきたエリア。たとえば過去の研究だと、認知行動療法のトレーニングをした人ほど、背外側前頭前野の働きがアップすることがわかってるんですよね。

 

 

いっぽうで、このエリアは、計算や思考なんかとも関連しているのが面白いポイント。感情の制御と計算は真逆の行為に思えますけど、実際にはどちらも「周囲の情報を更新して操作する」って点で、似たようなことをしてるんですな。

 

 

暗算トレーニングで脳が鍛えられる

つまり、デューク大学の研究者が何を考えたかというと、

 

  • 暗算で脳を鍛えれば、ネガティブな感情にも強くなるんじゃないの?

 

ってことです。で、今回の実験でなにがわかったかというと、

 

  • 暗算は確かに背外側前頭前野を活性化させる
  • 暗算が上手い学生ほど鬱や不安の症状は少ない

 

みたいな感じ。もちろん、この結果だけで「暗算は感情コントロールに効く!」とは言えないものの、かなり希望を持たせる結果にはなっております。

 

 

頭の中で複雑な計算ができれば複雑な感情も処理できる

研究者いわく、

 

頭のなかで複雑な計算ができる能力は、複雑な感情を処理する能力とつながっている可能性が高い。

 

とのこと。もうちょいハッキリしたデータが欲しいとこではありますが、暗算の技術はトレーニングしといて損はなさげ。私は昔から暗算が苦手マンなので、この論文をモチベーションに少しがんばろうかと(笑)

 

 


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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