「怒ったときは考え方を変えてみよう!」って感情コントロールテクはどこまで使える?
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感情のコントロールで不幸になることも?
認知行動療法の世界には、昔から「リアプレイザル」っていう有名な感情のコントロール法がございます。ざっくり言うと「ものの見方を変えて感情をコントロールしよう!」っていうテクニックで、たとえば怒っている人を見かけて嫌な気分になったら、「身内に不幸でもあったのかな…?」と考えてみたりしていく感じ。
リアルレイザルは、2012年のメタ分析(1)でも「そこそこの効果はあるよー」って結論が出てるんで、困ったとき使えるようにしとくとよさげです。
ただ、近ごろ出た論文(2)では、「感情のコントロールで不幸になることもあるから気をつけや!」 って結果が出てまして、なかなか勉強になりました。
ストレスを感じる状況によって感情コントロールの効果は違う
これは74人の男女を対象にした実験で、みんなにオリジナルのスマホアプリをわたして、- どのようなストレスを感じたか?
- そのストレスに対してどう対処したか?
- 「自分がコントロールできる」状況でリアプレイザルを使うと、逆にメンタルは悪化する
- 「自分がコントロールできない」状況ならリアプレイザルは効果が出る
って違いが出たんですねー。たとえば、
- いきなり道端で知らないオッサンに怒鳴られた!→リアプレイザルする→効く!
- 次のテストで良い点を取らないとヤバい!→リアプレイザルする→逆に鬱に!
みたいなイメージですな。研究者いわく、
たとえストレスを感じたとしても、その状況が自分の力でどうにかなるような場合、リアプレイザルを使うと「感情の機能」が損なわれてしまう。
とのこと。つまり、ネガティブな感情には「状況を変えるぞ!」ってモチベーションを生む働きがあるのに、リアプレイザルがそのパワーを減らしてしまうんだ、と。このあたりは、リアプレイザルに限らず、他のアンガーマネジメントの手法にも言えそうな感じですね。
そんなわけで、やっぱり「ニーバーの祈り」は、ここでも正しかったんだな、と。個人的には、アクセプタンスの技法をベースにしつつ、状況によってリアプレイザルを使っていくのがいいんかなーと思いましたね。