失敗にめげずに再チャレンジする科学的な方法を教えるぞ!という本を読んだ話
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『再挑戦する方法(How to Try Again)』って本を読みました。著者のスティーブ・カムさんは、「ナードフィットネス」っていう健康サイトの創設者でして、私もこのブログをはじめた初期は愛読してたもんです。このサイトは、たんに体験談を語るだけじゃなくて、科学の知見もきちんと紹介してくれてて参考になるんですよね。
で、本書のテーマは、「何かがうまくいかなかったときに、どうすればまた立て直せるのか?」というもの。人間であれば、誰もが「運動が続かなかった!」「勉強を始めたけど止めちゃった!」みたいな場面に遭遇するわけですが、そんなときに気合いや自己批判で乗り切るのではなく、「失敗をどう解釈し、次に何をするか」を考え直そう!みたいな感じっすね。いわばレジリエンスの本ですな。
というわけで、今回も本書から勉強になったところをチェックしてみましょうー。
- 何かを始めるとき、私たちはできるだけ失敗しない方法を探す。挫折しない勉強法、リバウンドしないダイエット、損をしない投資、失敗しない起業法などなどである。
しかし、実際には、失敗の可能性をゼロにすることは不可能で、任天堂、Microsoft、Appleのような成功企業にも大きな失敗が存在している。どんなに良いアイデアでも、タイミングが悪くてうまくいかないことはあるし、技術が追いつかないこともあるし、そもそも需要がないこともある。失敗は「能力の不足」だけで起きる現象ではなく、何かを試したときに起こりうる結果のひとつにすぎない。
ここで大事なのは、「失敗を防ぐ」ことだけに集中しないことである。失敗を完全に避けようとすると、失敗しそうなことに挑戦しなくなり、確実にできることだけを繰り返すようになるため、逆になにも行動できなくなってしまう。そのため、現実的には、「失敗しないこと」よりも「失敗したあとに早く戻れること」を目指したほうがよい。
少なくとも、失敗は何かを試した証拠なので、「この失敗から何がわかったか?」を拾い上げるほうに注力したほうがいい。
- 習慣づくりに失敗すると、「またゼロからやり直しだ」と感じることがある。たとえば、ジムに通い始めたが数回で行かなくなったら、「自分は何も変わっていない」と思うようなパターンである。
しかし、これは決してゼロに戻ったわけではない。前回の挑戦でも、ジムを探し、入会し、ロッカールームの場所を覚え、マシンの使い方を調べ、人前で運動する気まずさを乗り越え、仕事や家事の合間に通う方法を試したはず。これらの経験は、次に再開するときに残る。これらの失敗をもとに、「朝に運動しようとしても無理だった」「週5回は多すぎた」「帰宅後に勉強する計画は、疲れて続かなかった」などの発見を使い、次回は朝ではなく昼に歩く、週2回から始める、帰宅後ではなく通勤中に教材を読む、といった修正を試みればいい。
失敗した経験は、次の試行を現実的なものにしてくれるし、少なくとも「自分には何が合わないのか」を知るためのデータにはなる。
- 目標に向かうとき、人は「前進しているか、停滞しているか」の二択で考えがちである。たとえば、体重が減っているか?運動量が増えているか?収入が上がっているか?などである。
しかし、実際にはもうひとつ選択肢が存在しており、それは「これ以上、悪化させない」というものである。体調が悪かったり、仕事が忙しかったり、家庭の事情で余裕がなかったりといった時期に、以前と同じペースで努力しようとすると、かえって疲弊してしまう。そのため、このような場面では、たとえ前に進んでいる感じがしなかったとしても、少なくとも下に沈んでもいない状態を保つようにしたほうが良い。
たとえば、ダイエット中に爆食いしてしまったなら、「今日は野菜を一品だけ食べる」ぐらいの対策にとどめる。もし運動が続かないのなら、「5分だけ散歩」するぐらいの対策にとどめる。勉強ができない日は、「教材を開く」だけにとどめる。こうした小さな行動は、劇的な進歩にはつながらないが、「自分は完全にやめたわけではない」という感覚を保つには役立つ。
- 私たちは、「完璧にやるか、まったくやらないか」の二択マインドに陥りやすい。しかし、この考え方はだいたい、「最初は全力で頑張るが、崩れた瞬間に全部やめる」という結果につながってしまう。そのため、しんどい時期には、前進よりも維持を目標にするほうがよい。
- 予定どおりにいかないときも、私たちはイライラしがちである。そして、「来週になれば落ち着くはず」「この忙しさが終われば、また元の生活に戻れる」「もっとちゃんと計画すれば、すべてうまく回るはず」などと思いはじめる。
しかし、現実には、予定は崩れるものであり、急なトラブルも普通に起きる。こうした現実を受け入れるのは、レジリエンスにおいてめっちゃ重要である。受容というと、「現状を変えようとしないこと」「自分に甘くすること」と受け取られがちだが、本来の受容はそういう意味ではない。受容とは、「今の自分には、この制約がある」「今週は計画どおりには進まない」「生活が乱れているのは事実である」といった現実を認めることで、次の行動を考えられるようになることを意味する。
- たとえば、「どれだけ忙しくても毎日1時間運動しなければ!」と考えると、できなかった自分を責めるだけで終わりやすくなる。一方で、「今週は忙しいから10分なら運動できそう」と認められれば、現実に合った計画が立てられる。
このように、受容とは現実に負けることではなく、現実を無視したまま無理な計画にしがみつくのをやめ、いま実行できる選択肢に目を向けることだと言える。「状況は厳しいが、今日はここまでならできる」といった発想に切り替えたほうが、結果的には行動を続けやすくしてくれる。
- 他人の成功を見ると、「自分もああならなければ」と焦ってしまうことがある。たとえば、休まず働き続ける起業家、毎日SNSを更新する発信者、厳しい食事管理と運動を続ける人、大きな成果を出している人などを見ると、「自分も同じだけ努力するべきだ」と思ってしまうのはよくあることである。
しかし、他人の成果には、必ずコストがある。ある人は、収入を増やすために自由時間を削っているかもしれない。またある人は、身体づくりのために、食事や旅行の自由度を下げているかもしれない。また別の人は、仕事の成功のために人間関係や休息を後回しにしているかもしれない。私たちは、成功した人の結果だけを見て、その人が払っている代償までは見ようとしない。
- そこで必要になるのが、「その努力は割に合うか?」だけでなく、「そもそも、自分はその成果を本当に欲しいのか?」を考えることである。たとえば、あなたが年収を増やしたいと思っていても、そのために夜や休日を大きく削る生活まで欲しているとは限らない。あるいは、あなたが「影響力が欲しい」と思っていても、毎日発信し続ける人生が自分に合うとも限らない。このように、「できるかどうか」の前に、「その道を選びたいかどうか」を確認するほうが先決である。ここを飛ばすと、他人の目標を、自分の目標だと思い込みかねない。
ということで、今回は『再挑戦する方法』って本のお話でした。ざっくりまとめると、「失敗したときに必要なのは、自分を責めることではない!『何が起きたのか』を調べることだ!」みたいな感じっすね。もうちょい詳しく言えば、
- どこで止まったのか。
- 何が面倒だったのか。
- 今は前進すべき時期なのか。
- それとも、維持を優先すべき時期なのか。
- そして、その目標は本当に自分が望んでいるものなのか。
みたいなとこをチェックしていけば、「失敗が楽しくなる!」とまでは言わないものの、少しだけ現実的な形でリスタートできるでしょうなぁ。


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