今週の小ネタ:プロテインヨーグルトはホエイプロテインと同じぐらい効く?筋トレ後の筋肉痛にCBDは効くのか?縦じまの服で本当にスリムに見えるのか?

ひとつのエントリにするほどでもないけど、なんとなく興味深い論文を紹介するコーナーです。
プロテインヨーグルトはホエイプロテインと同じぐらい効く?
高齢者の筋トレには、プロテインヨーグルトでもホエイでも同じぐらい効くのでは?という研究(R)が出ておりました。
こいつは、60〜70歳の運動不足ぎみの高齢者17人を対象にしたランダム化比較試験。参加者は8週間にわたって週3回の筋トレを行いまして、そのうえで、毎回のトレーニング後に、25gのタンパク質を追加で摂取したんだそうな。
その際に、タンパク質の摂り方を2パターンにわけてまして、
- 高タンパクヨーグルト
- ホエイプロテイン
みたいになります。どちらもトレーニング後に25gのタンパク質を摂るのは同じだけど、形状だけが異なってたわけっすね。
その結果、どうなったかと言いますと、
- 筋肉量、上半身の筋力、下半身の筋力、歩行速度はいずれも両グループで同じように改善した。
だったらしい。つまり、少なくとも今回の条件では、「筋トレ後のタンパク質補給として、高タンパクヨーグルトはホエイと同じぐらい使えるかも」という結果だったわけですな。
これは、ちょっと実用的な話でして、「プロテインは面倒!」とか「プロテインが苦手!」みたいな人は、普通に同レベルのタンパク質が入ったヨーグルトを食っておけばOKってことになりましょう。なんせヨーグルトなら朝食や間食に取り入れやすいですからね。
さらに、この研究では腸内細菌の変化も調べてまして、こんな結果が確認されております。
- プロテインパウダーとヨーグルトで筋肉の増え方は同じだったが、腸内環境への影響はヨーグルトのほうがよかった。
これは当たり前の話で、ヨーグルトは発酵食品なので、タンパク質だけでなく、乳酸菌や発酵由来の成分も含まれますから。まぁ、この研究だけだと、腸内細菌の変化が実際に健康上どれほど意味を持つのかは判断しにくいんですけど、個人的には「それだったら高タンパクヨーグルトはアリだよなぁ……」とか思っちゃいますね。もちろん、まだ小規模な研究なので結論は控えめに見るべきなんだけど、それでもプロテインパウダーが苦手な人にとっては、ヨーグルトという選択肢があるのはありがたい話でしょうな。
筋トレ後の筋肉痛にCBDは効くのか?
筋トレ後の筋肉痛にCBDは効くのか?という研究(R)が出ておりました。
ご存じのとおり、CBDは大麻草に含まれる成分のひとつで、近年は睡眠、痛み、不安、炎症などへの効果が期待されております。そのため、アスリートのあいだでも使う人が増えまして、「運動後の回復が早くなるのでは?」という話もあるんですよ。CBDは痛みや炎症を抑える方向に働くので、たしかに筋肉痛に効く可能性はあるんですよね。
ということで、この研究では、平均20歳の若者29人を対象にランダム化比較試験を実行。参加者をCBDグループとプラセボグループに分け、CBDグループには1日67mgのCBDを15日間ほど続けて摂取してもらったんだそうな。その上で、11日目にスクワットをして足の筋肉にダメージを与え、それから4日間にわたって回復具合をチェックしたらしい。
で、その結果がどうだったかといいますと、
- 運動の2日後、CBDグループはプラセボグループよりも筋肉痛が少なく、太ももの筋力も高く、日常動作の成績も良かった。
だったそうで、今回の研究だけを見ると、「CBDは筋トレ後の回復に役立つかもしれない」とは言えそう。ちょっと魅力的な結果ですね。
ただ、まぁこの研究は注意点だらけでして、まず最も大きいのがプラセボグループの参加者が全員「自分はプラセボを飲んでいる」と正しく見抜いていたとこっすね。なので、プラセボ効果の条件がまったくそろっていないかもしれず、これだとCBDが本当に効いているのかは全くわからんのですな。うーん、雑いぜ。
あと、過去にも、運動後にCBDを飲ませて、筋肉痛やクレアチンキナーゼ、筋力、ジャンプ力などの回復を調べた研究(R)があるんですが、
- 6日間にわたって高強度の筋トレやランニングを行い、毎回の運動後に60mgのCBDを摂取する研究では、7日目の運動パフォーマンスはプラセボと比べて改善しなかった!
みたいに報告されてたりするんですよね。となると、現時点での結論は、「CBDが筋肉痛や回復に効く可能性はあるが、まだかなり不確か」といったところになっちゃうでしょうな。
個人的には、今回の研究で良い結果が出たのは、筋ダメージを起こす運動プロトコルが過去研究と違っていたことと、CBDを割と長めに飲ませた(15日間)ことが関係しているのかなーとか思っております(先ほどのプラセボ問題が結果に影響しただけかもですが)。なので、現段階でCBDを「筋トレ回復サプリ」として強くすすめるのは早いかなーって感じでして、私も別に筋肉痛のためにCBDは使わないですねぇ。
縦じまの服で本当にスリムに見えるのか?
「縦じまの服を着るとスリムに見える!」みたいな話がありますな。ファッションの世界では定番の説で、「横じまは太って見えるから避けたほうがいい」「縦じまは体を長く見せるからスタイルがよく見える」みたいなアドバイスを聞いたことがある人も多いでしょう。たしかに直感的には、縦じまのほうがスラッとして見えそうな気がしますね。
ところが、新たに出た研究(R)では、「そんなに単純な話ではない!」という結果が出ておりました。なんでも、服のしま模様が体型の見え方に与える影響は、「縦か横か」だけではなく、「線と線の間隔」や「線の太さ」にかなり影響されるらしいんですよ。
これは台湾の国立雲林科技大学の研究で、チームは、しま模様を大きく2つに分けて、その効果をチェックしております。
- 等間隔ストライプ:黒い線と白いすき間が同じ幅になっているタイプ。たとえば、黒線1cm・白いすき間1cmみたいなパターン。
- ペンシルストライプ:黒い線が細く、白い背景のほうが広いタイプ。たとえば、黒線1cm・白いすき間2cm、あるいは黒線1cm・白いすき間5cmのようなデザイン。
実験では、BMI20.8の女性モデルに、白地に黒いストライプの入った細身のワンピースを着てもらい、その画像を241人の台湾の大学生に見てもらうように指示。その上で、「どの服が細く見えるか?」を判断してもらったんだそうな。
その結果、なにがわかったかと言いますと、
- 横じまだけを比べた実験では、もっとも細く見えたのは「黒線1cm・白いすき間2cm」の横ペンシルストライプだった。参加者の半数以上が、このパターンを「細く見える」と評価した。
- 縦じまだけを比べた実験では、結果は一貫しておらず、縦じまが常に細く見えるわけでもなく、かといって横じまが常に勝つわけでもなかった。さらに、正面から見るか、背面から見るかでも印象が変わった。
って感じだったそうな。なんだか込み入った感じになってますが、もうちょい簡単にまとめますと、
- 少なくとも今回の条件では「横じま=太って見える」とは言えない。むしろ、線が細く、間隔が適度に狭い横じまは、体をスリムに見せる可能性がある。
- ただし、「横じまなら何でもいい」ってわけではなく、同じ横ペンシルストライプでも、白いすき間が5cmになると、細見え効果はかなり弱くなった。つまり、横じまの効果は間隔しだいで、広すぎると逆効果になりやすいのだと思われる。
- 黒線1cm・白いすき間1cmの等間隔ストライプは、背面から見た場合に、縦じまのほうが横じまより細く見える傾向があった。つまり、同じ服でも「見る角度」によって、錯視の出方が変わるっぽい。
みたいになります。要するに、「縦じまなら細く見える」「横じまは太って見える」みたいに単純な結論は出せなくて、
- 細い線
- 狭すぎず広すぎない間隔
- 服の形や見る角度
- 体型との相性
あたりをセットで考えないと、ストライプによる「痩せ見え」効果は得られないんだ、と。めっちゃ面倒ですね。
いちおう、今回の条件では「黒線1cm・白いすき間2cm」の横ペンシルストライプがかなり有望だったらしいんですが、ざっくりまとめると「細めの横じまは思ったより有力だが、体型によっては縦じまのほうが無難(ちょい太めの人とか)」みたいになるんでしょうな。やっぱり面倒ですね。
ってことで、服選びでストライプを使うなら、「横じまか?縦じまか?」とか悩まず、実際に鏡で見たときにどう見えるかをチェックするのが一番だという、非常に常識的な結論になりそうであります。

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