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一生若くいられる「都市型原人」という生き方

 

「一生若くいられる「都市型原人」という生き方」を読みました。「原始人のような暮らしをすれば老けない!」と主張する一冊で、わたしが実践しているパレオダイエットのよいガイドラインとして使える内容になっております。

 

 

 

ヒトの心身は現代の便利さに対応できていない!?

著者は横浜クリニック院長の青木晃氏。いままでパレオダイエット系の本というと、「『原始人食』が病気を治す」のような食事に特化したものが多かったんですが、本書は「暮らし方」全般にフォーカスを当てているのが特徴です。


青木さんの主張は、「便利は人をダメにする!」というもの。

 

確かなのは、私たちの心身がこの便利さに対応できていないということです。自分たちが作り出した便利な世の中に、自分たちがついていけずに、さまざまな病気や老化を生んでいるのです。


これは、もちろん現代文明を否定しているわけじゃなくて、 あくまで「ヒトの心身は原始時代にできあがったものなので、いま技術には適応するのが難しい」という意味。いまのグッズも使いつつ“ちょっとした不便”を生活に取り入れるのが主眼であります。


実際、青木医師は、この暮らしを始めたら体重が30キロも減り、現在は52歳で30代の体内年齢を維持しているそうな。よろしゅおすなぁ。

 

都市型原人生活を送る4つのポイント

で、本書がオススメする「都市型原人生活」のポイントは、以下の4つです。

1・「重力を感じる」

むやみにエクササイズをするのではなく、日常生活で少しずつ運動量を増やすのが原人生活のコツ。具体的には、

 

  • 多少の距離は車に乗らずに歩く
  • 階段を上り降りする
  • 生活を和式に近づける
  • テーマパークで遊ぶときも歩くチャンスと考える
  • 歩数計を身につける
  • 遊び感覚で歩く工夫をする
  • あえてリモコンを使わない日を作る
  • 雑用は歩数をかせぐチャンスと考える


あまり激しい運動をせず、歩く距離を増やすがはパレオダイエットの基本ですからね。非常にまっとうなアドバイスだと思います。青木医師も、この5年間、休まず毎日1万歩を歩いているらしい。


ちなみに、それでも歩くのが難しいときは、

 

  • 片足立ちを5分間だけ続ける
  • イスに座っているときは両足を浮かせる


の2つをやるだけでも違うそうです。片足立ちは、わたしもスタンディングデスクで作業をするときなどに実践してます。


2・「地球時間で生きる」

ヒトの体は地球の時間に対応して進化したので、あまりにもランダムな生活をしていると、交感神経の働きが下がって「モナリザ現象」(交感神経が弱って肥満になる状態)を引き起こしやすくなるとか。対処法としましては、

  • 朝5〜6時、遅くとも7時に起きる
  • 朝起きたら窓を開けて日光を浴びる
  • 飽きて1〜2時間以内に朝食をとる
  • 日中は活動的に過ごす
  • 15分間、昼寝をする
  • 寝る3時間前までに夕食をすませる
  • 20〜21時以降はリラックスして過ごす
  • 寝る1時間前からはパソコンやテレビの画面を見ない
  • 22〜23時には就寝する
  • 睡眠中は部屋を真っ暗にする


といった暮らし方がすすめられておりました。23時就寝は、わかっちゃいるけどできてないなぁ…。





3・「五感を取り戻す」
現代はエアコンのおかげで暮らしやすくなったものの、一方では自律神経が狂ってさまざまな病気の原因になっちゃう。青木医師も、カンボジアで不便な暮らしをしたときは、一気に体調が良くなったとか。日本に住む私たちが対処するためには、

  • 1日に最低1回、汗をかいたり鳥肌を立てたりする
  • 自分の好きなことで5感を刺激する(料理とかワインとか)
  • できるだけ自然の中で楽しむ(キャンプとか果物狩りとか)
  • 植物の香りをかいでみる
  • 加工食品の成分表示をチェックし、体に毒な物質を避ける
  • 免疫力が落ちるので、多少の不調では薬を使わない


といったことを意識するのがオススメ。





4・「原人感覚で食べる」
もちろん食事はパレオダイエットの超重要な要素。ただし、青木医師がおすすめする食事法はおだやかなんで、普通に続けられそうなのがいいところ。

  • 加工食品をひかえる
  • 素材の原型がわかるものをとる
  • 新鮮な野菜・果物を多めにとる
  • 主食、タンパク源、野菜その他をバランスよくとる
  • 食べる量は腹6〜8分目にする
  • 1口につき20回噛む
  • 糖質(主食)を従来の3分の2から半分程度にする
  • 旬の食べ物をとる
  • 月1〜2回の週末プチ断食をする


といった感じ。炭水化物を根絶しろ!とは言ってないので、 わりと入りやすいかなーと思います。

まとめ

そんなわけで、「一生若くいられる『都市型原人』という生き方」のご紹介でした。極端な主張はせず、ちょっとの不便を意識して文明病を治していこう!という現実的な処方せんになっているし、巻末でちゃんと「アンチエイジンはまだ発展段階で科学的な根拠が十分に確立していない」と語っているのも正直で好印象。パレオな暮らしを送るための、初心者マニュアルとして読んでみるのもいいかもです。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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