選択肢が多すぎて何も選べないときは「トーナメント方式」を使うといいよ!
シーナ アイエンガー教授の「選択の科学」って本(http://amzn.to/2szBBUg)によれば、人間は選択肢が多くなるほど何も選べなくなっちゃう性質があるとか。我が身をふり返っても、読みたい本が多すぎて何も選べず、しまいにはダラダラとテレビを見て過ごしちゃうことがありまして、この説には納得できるところです。
で、そんなときに使えそうなのが、近ごろ経済学の方面から出てきた論文(1)。選択肢が多すぎて困っちゃうときに最良の選択をする方法について調べた研究であります。
具体的には、車・家・スマホなどを16種類ずつ用意したうえで、111人の被験者たちに以下の3パターンの方法を使って、最高のものを選んでもらったんですね。
- 同時選択:16種類のなかから一気に好きなものを選ぶ
- 連続消去:16種類のなかからランダムに4種類を選び、そのなかから1つだけ好きなものを選んだら、残りの選択肢からまた4種類を選ぶ作業をくり返す
- トーナメント:16種類の選択肢をランダムに4グループにわけ、トーナメント式で最後の1つにしぼりこむ
すると、どの選択肢に関しても、トーナメント方式を使ったほうが、あとで「良い選択をした!」と思う確率が高くなったんだそうな。
トーナメント方式について、もうちょいわかりやすく説明しますと、
- 16種類の選択肢を、ランダムに4つのグループにわける
- それぞれのグループのなかから、「これがベスト!」と思えるものを選ぶ
- 選んだ4種類をランダムに2つのグループにわける
- それぞれのグループのなかから、「これがベスト!」と思えるものを選ぶ
- 最後に残った2つから最高のものを選ぶ
といった感じ。大量の選択肢を大まかなグループにわけて、それぞれの勝者を決めていくわけですね。かなりいろんな場面で使えそうな方法じゃないでしょうか。
研究者いわく、
すべての実験で同じ結果が出た。選択肢の数が少なくなるほど、わたしたちは良い選択ができるのだ。
何かを選ばなければならないとき、わたしたちは大量の情報を処理し、すべての選択肢の意味を理解したうえで、なにが最良なのかを決めなければならない。16種類もの選択肢から、一気にそれだけの処理を行うのはムリな話だ。
とのこと。とにかく情報の山を細かくして、脳の負担を減らしてあげるのが大事みたいですね。個人的には、登録数が膨大になっているAmazonのウィッシュリストから、本当に買うべき商品を選び出すのに使ってみようかと。