現代人の脳をパンクさせる3大要素「ジャンクフード・インターネット・ポルノ」
「加速する肥満」を読了。ハーバード大学のディードリ・バレット教授が書いた本で、その主張は「人間が太るのは進化に反した食事をしてるからだ!」というもの。パレオダイエットと同じ発想ですね。
で、ここで出てくるのが「超常刺激」ってキーワード。もともと人間は、草原やサバンナといった刺激が少ない環境で進化してきたのに、現代は感覚をかき立てるものが多すぎるせいで、脳が必要以上に興奮しちゃうって話であります。
現代における「超常刺激」の代表例は以下の3つ。
ジャンクフード
まずはジャンクフード。バレット教授は、加工食品を「フードポルノ」と呼んで厳しく非難しておられます。
実際、ジャンクフードは、進化の過程で人間が欲するようになった味覚(塩分・脂肪・糖)をつめ込みまくった商品でして、かなりの依存性があることは昔から実証されてきたところ(1)。
特に、近ごろは精製穀物も脳に過剰な刺激を与えてるんじゃない?って説が出てたり(2)、高GI値の食品は依存性があるんじゃない?って話も多かったりします(3)。さらにくわしくは、以前に書いた「人間は脳から太っていく『初めてのセットポイント理論 その2』」をご参照ください。
インターネット
もう1つ、超常刺激の代表がインターネット。あらゆる情報にアクセスできる自由さが、逆に脳へ過剰な刺激を与えまして、激しい依存症を生むことが知られております(4)。
ここ数年は、ネットが人間の集中力にダメージを与えてるんじゃない?って議論があったり(5)、基本的にSNSは人間を不幸にしてるんじゃない?ってデータが出てきたり。なかでも、SNSは人間のコミュニケーション欲を必要以上にかき立てる仕組みになってまして、具体的な対策が必要であります。
ポルノ
言わずもがな、人間の原始的な欲望をかき立てまくるのがポルノ。ケンブリッジ大の研究によれば、ポルノにハマった人の脳は、ドラッグ中毒者の神経とそっくりに変わっちゃうらしい(6)。
また、ポルノには快楽物質であるドーパミンを際限なく出し続ける効果があるそうな(7)。その結果、ますますポルノにのめり込むようになり、ほどなく脳がパンクしちゃうんだ、と。
ちなみに、一般的にはドーパミンは「脳に快楽をあたえる物質」と思われがちですが、「スタンフォードの自分を変える教室」 によると、本当は「脳にもっと大きな快楽を探させる」効果しかないんだとか。
つまり、ポルノを見ても実際に快楽が得られているわけではなく、「もっと凄いポルノが見たい!」って欲望に動かされてるだけなわけですね。まさにポルノゾンビ!
まとめ
と、いろいろな例をあげてみましたが、他にもテレビ・ゲーム・明るすぎる照明なんかも「超常刺激」の一種でしょうね。
とはいえ、 いまさら文明を捨て去るわけにもいきませんので、現代人としては、人間の脳が超常刺激に弱いことを認めたうえで、注意しつつ付き合っていくしかない感じ。基本的な対策としては、「ほぼすべての科学者が賛成する定番の意志力トレーニング法まとめ」なんかが参考になるかもです。