生きるのが辛い!を12週間で改善するための食事術
食事だけでメンタルはどれぐらい改善するのか?
食事とメンタルが関係しているのは有名な話であります。普通に考えても、ジャンクフードばっか食べてるよりは野菜たっぷりなほうが精神は安定しそうなイメージですもんね。
もっとも、現段階のリサーチは観察結果がメインで、例えば「地中海式ダイエットをしている人はメンタルも健やかだなー」とか「パレオダイエットは炎症が減るからメンタルにもいいだろうなー」とか推測してた感じ。実は「食事だけでメンタルって改善するの?」という問題をガッツリ調べた実験ってなかったんですな。
が、近ごろ出た論文(1)では、そのへんを初めてしっかり調べてくれてまして非常に良い感じです。
12週間メンタル改善用の食事を試したら?
実験の参加者は67名の男女で、大鬱病の診断を受けた患者さんのみ。みんなセラピーや抗鬱剤の治療を受けております。
実験期間は12週間で、全員を2つのグループにわけたんですね。
- メンタル改善用の食事
- 特に食事は改善しない
運動や瞑想などの指示はあたえず、あくまで食事を変えたらどうなるかだけをチェックしたわけですな。
食事を改善したら生きるのが楽になった
その結果がどうだったかというと、
- 食事を改善したグループは32%が症状が改善(何もしないグループは8%が改善)
- 症状がやわらいだグループはMADRSで7.1ポイントの改善がみられた
とのこと。劇的な改善…とまではいかないものの、ちゃんと現実的に意味があるレベルで効果が出ております。
また、この実験でいう「MADRSで7.1ポイントの改善」ってのは、「生きるのが辛い!」ってレベルから「元気はないけど暮らせる…」ってぐらいまで改善したぐらいのイメージ。食事だけの介入でここまで良くなるんだから、運動などと組み合わせたらかなりの効果が見込めるんじゃないでしょうか。
メンタルに効く食事法のガイドライン
それでは、実際にどんな食事法が使われたのかを紹介しときます。
▼鬱をやわらげる毎日の食事ガイドライン
- 全粒粉=パンだったら1日に5〜8枚、パスタだったら1日に300g〜480gぐらい
- 野菜=1日に握りこぶし6個分ぐらい
- フルーツ=野球ボールぐらいの大きさを1日3つ
- 豆類=1週間に180gぐらい
- ナッツ=1日に手のひらに軽く乗るぐらい
- 魚=最低でも週に120g以上
- 脂肪の少ない牛肉、羊肉、豚肉=週に180g〜240gぐらい
- 鶏肉=週に120g〜180gぐらい
- 卵=週に6個
- オリーブオイル=1日小さじ3杯
- 乳製品=牛乳やヨーグルトは1日480mlぐらい、チーズだったら1日80g〜120gぐらい
というわけで、完全に地中海式ダイエットをベースにした内容になっております。個人的には「乳製品がちょい多いかなー」とか「卵はもうちょい食べてもいいかなー」とか思うわけですが、誰が見ても健康的な食事にはなってるかと。
また、その他の注意点としては、
- カロリーは気にせず自由に食べる
- 三大栄養素のバランスは、タンパク質18%、脂肪40%、糖質37%ぐらい
って感じです。カロリーを気にするとストレスが増えちゃうんで、メンタルに効かせたいときは自由に食べるのが大事。
メンタル改善のために食べちゃいけないNG食
続いて、鬱のときに食べちゃいけない食事のガイドラインをどーぞ。
▼鬱のときに食べちゃいけないもの
- 赤ワインまたは白ワインは1週間に300mlまでが上限
- それ以外のアルコールは厳禁
- 精製された炭水化物(パン、パスタ、米など)
- お菓子
- 揚げ物
- ファストフード
- 加工肉
- 清涼飲料水(週に3本以上は厳禁)
このへんはパレオダイエットのガイドラインと似てますね。いずれも体に炎症を起こす食品ばかりであります。
まとめ
というわけで、メンタルにガッツリ効く食事法のお話でした。食事を正すだけで確実にメンタルが良くなるんだから、これは試さない手はないですな。
さらに「どんな栄養が効いてるの?」ってあたりに興味のがある方は、「脳を幸せにしてくれる9つの栄養素」を参考にしていただければと思います。どうぞよしなに。