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グループを自分の意見に従わせるためには、どれぐらいの賛同者を集めればいいのか?問題

Agreement

 

「クリティカルマス」って言葉があるじゃないですか。ざっくり言うと「ここを超えると一気に世の中に広がるライン」のことで、新しいサービスが急に普及したら「ついにクリティカルマスを超えたねー」なんて言い方をします。

 

 

もともとは物理学の用語なんですけど、いまはマーケティングの世界で使われるケースが多い印象。マルコム・グラッドウェルが流行らせた「ティッピングポイント」なんかにも近いものがありますね。

 

 

ただ、当然ながら「どこを超えたらクリティカルマスになるの?」ってのはよくわからないわけです。経験則で「16%を超えたら普及する」とか言う人も多いんですが、その数値には10〜40%ぐらいの幅がありまして、実際は適当に言ってるのとほとんど変わらない状況だったりします。

 

 

そんな状況下で、「だいたいこれぐらいを越えればクリティカルマスになるよ!」って基準を示してくれた論文(1)が出まして、これは斬新でよろしいですなーと思いました。

 

 

これはペンシルバニア大学の研究で、194人の男女を対象にしたもの。全員を10個のグループにわけて、以下のような実験を行っております。

 

  1. グループ内で「誰だかよく知らない人の写真」をオンライン上で回覧する
  2. その写真の人物に「なんとなくふさわしい名前」を各自が提案する
  3. ひとつの名前にまとまるまでグループで議論を続ける
  4. 名前がまとまったら、研究チームが送り込んだ「刺客」が、すでに決まった名前をひっくり返そうとがんばる

 

って感じで、すでに固まった話がどれぐらいからくつがえるのかをチェックしたわけですな。すべての議論はオンライン上で行われてまして、当然ながら、研究者が送り込んだ「刺客」の正体はバレないようになっております。

 

 

では、それでどんな結論が出たかと言いますと、

 

  • 25%の人間が賛同すれば、残りの人間も意見をかえる確率が一気に高まる!

 

だったそうな。この数字をどうとらえるかは個人の感覚によりましょうが、個人的には「思ったより低いんだなー」みたいな印象ですね。

 

 

というのも、古典的な経済学のモデルとかだと、「いったん均衡状態になったら51%を越えないとダメ!」って考え方が主流だったんですよ。この数値から見れば、25%まで行けばいいってのはなかなかではないかと。

 

 

ちなみに、研究チームは実験データをもとに数理モデルも作ってまして、これによれば、だいたい25%マイノリティは100,000人の意見をくつがえすぐらいのポテンシャルを持ち得るんだそうな。なかなかおもしろい研究ですなぁ。

 

 

賛同者が少なすぎると何も起こらず、グループ全体は彼らの存在を無視する。しかし、彼らの存在がだいたいグループ全体の25%を超えると、全体が彼らの考え方を追いかけるようになる。これは、私たちのモデルが予想される結論だ。そして、実際の実験結果もこの結論を支持している。

 

 

 

ってことで、何かグループの意見を変えたいときは、25%を目標に考えていくとわかりやすくていいかもしれません。

 

 

さらに研究チームいわく、

 

各種の政党から民間の組織まで、近年ではさまざまな集団がオンラインで「賛同者」を雇って、全体の行動や信念に影響をあたえようとしている。この戦略は確かに効果的なのだろう。

 

ってことで、いまネットではやりの世論工作にはちゃんと意味があるんじゃないか、と。まぁこの実験は「見知らぬ人の名前」みたいに無害な要素をあつかってるんで、現実の世界ではもうちょい厳しい数字になるのかもしれませんが、参考にはなりそうですねぇ。

 


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