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「あの飲み物」で会議がスムーズに進むようになるぞ!という意外な実験

Drink

 

コーヒーが体にいい!が常識になりつつある昨今ですが、近ごろのデータ(1)では「会社の会議にも役立つ!」って結論が出ててビビりました。

 

 

これはカリフォルニア大学の論文で、2つの実験で構成されております。具体的には以下のような感じ。

 

 

実験1

  1. 72人の学生を半分に分けて、いっぽうのグループにだけコーヒーを飲んでもらう
  2. 「ウォール街を占拠せよ」運動について15分ほどディスカッションしてもらう

 

といったデザインになっております。議論のネタに「ウォール街運動」を選んだのは、これがアメリカでも論争が多い話題だからだそうな。

 

 

すると面白い傾向が出まして、コーヒーを飲んだグループは議論の相手にポジティブな態度を取り、「彼はいいやつだ」と判断する確率がアップ。さらには実験後も自発的にディスカッションを続ける傾向があったんだそうな。

 

 

実験2

  1. 61人の学生を半分に分けて、ひとつのグループには普通のコーヒーを、もう1つのグループにはデカフェのコーヒーを飲んでもらう
  2. 実験1と同じように議論を行い、同じグループのメンバーと自分自身を採点してもらう

 

って感じでコーヒーの効果を測定したところ、

 

  • カフェイン入りのコーヒーを飲んだ者ほど注意力が上がった(これは当たり前ですな)
  • 注意力が高まった人ほど自分と他人をポジティブに採点した(これはおもしろい)

 

って結果だったそうな。おもしろいことに、「自分の注意力が上がった」と報告した人はデカフェでも人当たりが良くなったらしい。つまり、コーヒーでチームワークが上がったのは、注意力が向上したせいではないのか、と。

 

 

研究者いわく、

 

コーヒーで注意力が高まるとチームにポジティブな影響をあたえ、さらにパフォーマンスも高まる。

 

これは、注意力が高まることで、自分と他人の貢献度がより深く理解できるからだろう。おかげでポジティブなムードが高まるのだ。

 

とのこと。注意力の上昇によって自分と他人の美点に目が行くのではないか、と。この理屈だと「欠点にも目がいくんじゃないかろうか」って気にもなりますが、なかなかおもしろい仮説ですな。

 

 

いずれにせよ、注意力がチームワークの向上をもたらすならば、コーヒーじゃなくても運動でも同じ効果は得られそうな気が。海外ではタンディングデスクで会議をする企業も増えてるとか聞きますが、これも理にかなってるのかもしれませんなぁ。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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