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今週の小ネタ:親密になりやすい男女の特徴とは?、高血圧で頭が悪くなる?、認知症をもたらす飲み物

Summary

 

ひとつのエントリにするほどでもないけど、なんとなく興味深い論文を紹介するコーナーです。

 

 

仲がいいカップルの特徴とは?

まずはテキサス大学のデータ(1)で、40組のスピードデート(お見合いパーティみたいなもんですな)を記録し、それぞれがどのような言葉を使っているかをチェック。そのうえで、うまくいったカップルは何が違うのか?ってところを調べております。

 

 

その結果について研究者いわく、

 

うまくいったカップルは、会話を始めて数秒とかからないうちに、似たような言葉で話し出した。

 

とのこと。とにかく、親密な男女ほど似たような単語やフレーズを使う傾向があったんだ、と。具体的には、親密な男女は似たような前置詞を使い、単語のチョイスも同じで、theやIの出現頻度も近かったらしい。

 

 

この現象を、研究者は「言語スタイルマッチング」と呼んでおります。昔から「仲がいい人は動作が似る」ってのは有名な話ですけど、その言語バージョンって感じ何でしょうねぇ。

 

 

もっとも、だからといって「相手と似た単語を使えば仲良くなれる!」と思うのは間違いで、意図的に近いフレーズを使うと見抜かれちゃう可能性が大。あくまで「仲が良い人ほど言葉づかいが近くなる」っていう親密度の指標として使うのがいいんでしょうな。

 

 

オッサンの高血圧は脳にヤバい!

こちらはサクレー大学の研究(2)で、8639人のイギリス人を対象にした観察研究になっております。ざっくりいえば、全員の血圧の変化を毎年のようにモニタリングして、その数値がどれぐらい痴呆症と関係しているかをチェックしたものです。

 

 

その結果がどうだったかと言いますと、

 

  • 50歳になってから最高血圧が130を超えると10年後に認知症になる確率が45%上がる!

 

って感じです。なんでも血圧が高いと脳に圧力が加わってダメージが起きちゃうらしい。その結果、情報の処理スピード、記憶力、学習能力、実行機能などのすべてに悪影響が出てしまうとのこと。まぁそりゃそうですよね。

 

 

あの飲み物がアルツハイマーを引き起こす!……かも

こちらはイリノイ大学の研究(3)で、まだ生体外実験のレベルながらおもしろい結果が出ております。どういう実験かというと、

 

  1. ラットの脳から細胞を採取する
  2. その細胞にアルコールをつける

 

って感じです。アルコールが脳にあたえる影響ってのはまだ未知数で、いっぽうでは「酒は脳の働きをあげる!」みたいな研究があるのに、他方では「酒で脳が炎症を起こす!」って結果もあったりして、よくわかってない感じなんですな。

 

 

が、この研究によりますと、

 

実験でわかったのは、アルコールがミクログリアの働きを妨げるということだ。ミクログリアは脳のアミロイドをクリアにする働きがあるが、この作用に悪影響をあたえる。

 

だったそうな。アミロイドってのはタンパク質の一種で、こいつがたまっていくと脳の神経が死に、頭が働かなくなると考えられてるんですな。このデータだと、アルコールに触れてから1時間で15%もミクログリアの機能が低下したとか。

 

 

もちろん、これだけで「酒はアルツハイマーの原因だ!」とは言えないものの、ありそうなメカニズムが示されたのは興味深いところでありましょう。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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