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運動がメンタルに効くのは当たり前ですが、何やら統合失調にまで効果があるんだとか

Dash

 

運動がメンタルに効く!」ってのはもはや疑いようがないわけですが、新しいデータ(1)では、「エクササイズは統合失調にもいいよ!」って結論になってていい感じです。

 

 

ご存じのとおり、統合失調は幻覚や妄想のせいで普通の暮らしができなくなっちゃう症状で、いまんとこ原因がわかっていない難しい病気。しかも、100人にひとりの割合で発症すると考えらえれてまして、何かと大変なんですな。

 

 

で、これは高雄医学大学の研究で、最低でも1年以上は統合失調に悩んでいる患者さん62人が対象。実験では全体を2つのグループにわけております。

 

  1. 1日30分の「激しい運動」を週に5回ずつ
  2. 1日25分のストレッチを週に5回ずつ

 

ここでいう「激しい運動」は明確な定義がないんですけど、最大心拍数を考慮したランニングを指示したらしいので、おそらく時速10キロ以上で30分ほど走り続けるぐらいの負荷だと思われます。なかなかハードっすね。

 

 

実験期間は12週間で、どのような結果が出たかと言いますと、

 

  • 運動をしたグループは幻覚や妄想が減り、ネガティブな症状(無気力とか感情の喪失)が改善!
  • 3か月後のフォローアップでも、症状は改善したままだった!

 

ってことで、予想どおりのナイスな結果が出たみたい。これまで統合失調といえば薬物治療か認知療法がメインだったんで、なかなか希望がある話じゃないでしょうか。

 

 

もっとも、いまの段階では、なんでこういう結果が出たのかは謎(というか統合失調が謎なので、原因を判定しようがない)。とりあえず言えそうなのは、

 

 

といったとこじゃないかと。事実、統合失調の方はHPA軸に異常を起こしてるケースも多いんで、ありそうな仮説ではあります。

 

 

研究チームいわく、

 

今回の結果は、ハードな有酸素運動が、薬物を使わない治療法として効果を持つ可能性を示している。

 

統合失調の治療には薬物が欠かせないが、それ以外の治療法がより良い結果をもたらす可能性はある。

 

とのこと。ってことで、統合失調に限らずHPA軸の異常(慢性的な疲労とか低血圧とか)にお悩みの方は、1日30分のハードな運動を試してみるのもアリかもしれませんねぇ。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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