コーヒーの香りで分析能力がアップするぞ!というスティーブンス工科大学実験
コーヒーが脳にいい!ってデータが増えてきた昨今でございます。どうやら、コーヒーのカフェインやポリフェノールが脳の働きを上げてるっぽいようで、なかなかのスーパードリンクなんですよねー。
でもって新しい研究(1)では、「コーヒーの香りを嗅ぐだけでも脳力が上がるよ!」って結論になっててナイスでした。
これはスティーブンス工科大学などの実験で、114人の学生を対象にしております。実験のデザインはシンプルでして、学生たちを2つのグループに分けたんですな。
- コーヒーの香りが漂う部屋でGMATの問題を解く(GMATはビジネススクール用の能力テスト)
- なんの香りもない部屋でGMATの問題を解く
ってことで、おもに「数学的なスキル」とか「分析的な思考力」にどんな影響が出たかを調べたんだそうな。
これでどんな違いが出たかというと、
- コーヒーの香りを嗅いだ参加者のうち約70.4%は分析力のスキルが向上した!
だったそうな。この実験で使われた香りには何の刺激物もふくまれておらず、あくまで「コーヒーっぽい匂い」を再現したものだったにもかかわらず、参加者は脳がブーストしたというんですな。
なんでこういう現象が起きたかが気になるところですが、研究チームは「思い込みのおかげじゃない?」と推測しておられます。というのも、この後でさらに208人の学生にアンケートを取ったところ、
- 9割は「コーヒーの香りには注意力と活力アップを思い起こさせる」と回答
- いっぽうで他の香り(他の匂い)にはそんなイメージがなかった
って結果が出てるんですよ。そりゃそうですよね。
研究者いわく、
「コーヒーの香り」がヒト分析能力を高めるのは興味深い現象だが、さらにおもしろいのは、「コーヒーで注意力が高まる」と思っている被験者ほどテストの成績が上がったことだ。
この予想が、能力アップに貢献しているのだろう。
とのこと。つまりコーヒーの香り自体にすごいパワーがるんじゃなくて、いわゆる「自己成就予言」が働いたのではないか、と。
嗅覚はもっとも強烈な感覚のひとつだ。サラリーマン、小売f用、建築家など、分析的な思考が必要なすべての職種は、かすかな香りでメリットが得られるかもしれない。
ってことなんで、思い込みだろうが何だろうが「使えるものは使えばいいじゃない!」ってアドバイスが強調されておりました。
ただの思い込みで十分ってことなんで、こないだの「バーチャルリアリティで頭がよくなる」みたいに、アインシュタインの画像を見るぐらいでも効果があるのかもしれませんが。