数少ない薄毛の治療薬「プロペシア」は飲むのを止めた後でも意味があるのか?問題
プロペシアに関するご質問をいただきました。
プロペシアの服用をはじめてもうすぐ丸3年になります。 ある程度効果も実感し、 そろそろ服用をやめるかどうか迷っております。 服用をやめた後の研究結果などがあればご紹介いただけると幸いで す。
とのこと。プロペシアってのは定番の育毛アイテムで、フィナステリドをふくむAGAの治療薬です。「本当に薄毛に効くものは?」を調べたメタ分析でも、ロゲインと並んで効果あり!って結論になってたりするんですな。
そんなわけで、薄毛をなんとかしようと思ったら、とりあえずロゲインとプロペシアの併用が定番なわけですが、「服用をやめたらどうなるの?」ってのは確かによく聞く疑問かと思います。そりゃ気になりますよね。
で、結論から言っちゃえば、プロペシアの服用を止めたら再び薄毛の進行は始まります。なんとも残念な話ですけど、これが事実なんですよねぇ……。
そこらへんの問題については2014年にマヒドン大学が行ったレビュー論文(1)が有名で、過去に行われたAGA研究を端からまとめていったものであります。長大な論文なんで、ポイントを軽くまとめておきますと、
- データの質を見れば、効果と安全性の面からミノキシジルがベスト
- もちろんフィナステリドもいいんだけど、大半は使用をやめてからすぐに薄毛の予防効果が消えちゃう
って感じです。もしフィナステリドを飲む前に「あきらかに髪が細くなってるなぁ」って自覚があった人は、フィナステリドを止めた直後からまた髪が細くなる可能性が非常に高いんですな。
なんでこういった事態になるのかと言いますと、フィナステリドは5〜6時間で半減期になっちゃうからであります。つまり、体内に入れて数時間で活動しなくなるんですな。
ご存じのとおり、フィナステリドが効くのは、テストステロンをDHT(薄毛の原因になるホルモン)に変換する酵素をブロックするからであります。ところが、フィナステリドは体内ですぐに効果が消えてしまうので、薄毛予防のためには毎日飲みつづけなきゃ意味がないんですよ。
ってことで、フィナステリドってのは飲み続けるしかないんですが、1553人を対象にした長期研究(2,3)なんかでは、「1日1mgなら5年ぐらい続けても問題なし!」って結論が出てまして、かなり安全性は高め。あとはお金との問題ってことになるでしょうね。
いまのところプロペシアはジェネリックなら1日100円を切るので、まぁそれほどの負担ではないですかね(副作用が起きちゃう人は除くとして)。あとは、自分の体調や懐事情と相談しつつ、服用を続けるかどうかを考えていただければ、と。どうぞよしなに。