セットごとに筋トレの負荷を下げていくのはアリかナシか?みたいな研究の話
セットごとに筋トレの負荷を下げていくってテクニックがあるじゃないですか。たとえば、
- 1セット目に100kgでベンチプレスをやったら、2セット目は95kg、3セット目は90kgにする!
みたいなやり方のことです。セットごとに少しずつ重さを下げていくわけっすね。
この方法は「負荷が下がっていくので気分的にラク!」ってメリットがある一方で、「そのぶん総ボリュームが減っちゃうのでは?」って懸念もあるわけです。「3セットX8 @100 kg」の筋トレのほうが「3セット X 8 @100 → 95 → 90 kg」よりも最終的なボリュームは大きくなりそうですからね。
言わずもがな、筋トレでは「ボリュームが多いほど成果が出やすい!」ってのが常識なんで、その点では、セットごとに負荷を下げていくのは良くないのかな〜、などと思ってしまうわけです。もちろん、負荷を下げた分だけ回数は稼げるはずなんで、そこらへんで相殺される可能性もあるわけですが、いまいちよくわからんところです。
が、新しい研究(R)では、「セットごとに負荷を下げても問題ないよ!」って結論になってていい感じでありました。
これは21人の男性を対象にした研究で、最低でも週3の筋トレを2年以上続けてる人を選んだそうな。実験では参加者を3つのグループ分けまして、
- 3セットをすべて10RMの負荷で行う(RMについてはここを参照)
- 1セット目を10RMの負荷で行い、2セット目、3セット目は5%ずつ負荷を下げる
- 1セット目を10RMの負荷で行い、2セット目、3セット目は10%ずつ負荷を下げる
みたいに設定してます。つまり、グループ3などはベンチプレスを1セット目を100kgでやったら、3セット目は80kgで行うことになるわけで、これは結構な違いですよね。
さて、17週間後にどんな違いが確認されたかと言いますと、以下のようになりました。
- すべてのグループにおいてトレーニングのボリュームに大差はなかった(p=0.649)が、一部のメニュー(スコットカールとか)は10%グループのほうが10〜12%の範囲でボリュームが増えていた
- 「主観的なトレーニングの辛さ」(RPE)については、10%ずつ負荷を減らしたグループがもっとも低かった(そりゃそうでしょうな)
- 筋肉量・筋力ともに、どのグループも同じように発達していた
ってことで、3つのグループは同じぐらい筋肉が発達したものの、10%グループはもっともラクにトレーニングができたみたい。それならば、普通に負荷を10%ずつ減らしたほうが気分的にラクな分だけ優位とは言えるかもですな。
ってことで、以上の話をざっくりまとめると、
- セットごとに5〜10%の範囲で負荷を下げてもバチは当たらない。というか、筋トレの辛さを少しでもやわらげたい人は積極的に使ったほうがいいかも
- 負荷を下げても、ちゃんとセットごとに筋肉が疲れれば最終的な成果は変わらないのかも。が、基本的には負荷を下げたぶんだけ回数を増やすぞ!と思っといたほうが無難。
みたいなとこですかねー。個人的にも、「なんか調子が出ないなぁ」みたいな日は普通に負荷を下げてますが、問題なかったんやな。