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メンタルが強くなるかもしれない脳のトレーニング法、それは「デュアルN-Back課題」

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ワーキングメモリは大事!超大事!」という話を何度か書いている当ブログ。ワーキングメモリは短い間に情報を処理する能力で、仕事や勉強に欠かせないのはもちろん、人生の質にも関わってくると考えられております。


で、新しく出た論文(1)を見てたら、ワーキングメモリが向上するとメンタルも強くなる!って結論になっておりました。頭の良さだけでなく、メンタルヘルスにもワーキングメモリは大事らしい。


これはゲント大学の実験で、不安症に苦しむ学生13名を対象にしたもの。ワーキングメモリを鍛えるために、半分の学生には「デュアルN-Back課題」と呼ばれる脳トレをしてもらったんですね。


「N-Back課題」は昔からIQを上げるために使われてきた方法で、その効果はかなり実証ずみ。試してみたい方は「本当に頭が良くなる脳トレ『Brain Workshop』」をご参照ください。




実験期間は15日で、学生たちは1日15分ずつのトレーニングをした模様。そのあとで全員の脳波や不安レベルを調べたところ、

  • 「デュアルN-Back課題」が上達した学生ほど
    • 不安が大幅に減った
    • シータ波とベータ波の比率が減った(=リラックス状態が増した)
    • ストレスが大きい環境でも集中力がとぎれなくなった

といった違いが出たらしい。つまり、

  1. 「デュアルN-Back課題」でワーキングメモリが向上
  2. 短時間に大量の情報を処理できるようになる
  3. 集中力が増す
  4. 精神に余裕が出てくる
  5. 不安が減少!

って流れですね。研究者いわく、

注意力のコントロールができないと、あらゆる作業がうまくこなせなくなってしまう。その結果、心配や不安は増大し、考えすぎの悪循環にハマってしまうのだ。

とのこと。注意力の有無がメンタルヘルスにもつながってるんですなぁ。


そんなわけで、脳力アップやメンタルヘルスのためにも、ワーキングメモリの向上は有効っぽい。もっともいいトレーニング法は「デュアルN-Back課題」でしょうが、ほかにも運動木のぼり瞑想なんかも使えそうであります。マジメに「デュアルN-Back課題」を続けてみようかなぁ…。

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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。